【理論編】薬剤師のための健康行動科学/性格タイプ別アプローチ赤色タイプ(外向・合理型) 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 国立病院機構京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室 岡田 浩 連載の第4回は「イライラしている患者さん」に対し、どうアプローチするかがテーマです。 人の性格は十人十色ですが、意識の向かう方向と自己決定の傾向から、4つの性格タイプに分けることができると言われています。この分類法は、元々は心理学者のユングの理論が元になっており、現在ではコーチングをはじめ、人を相手にする様々な分野で取り入れられています。 多様な人の性格を、わずか4類型にすることに抵抗を感じる方も少なくないと思います。しかし、分類がたったの4つであるからこそ理解しやすく、忙しい医療の現場で活用できるという側面もあります。また、この4類型を意識するようになると、自然に患者さんを注意深く観察するようになります。よく観察することで、患者さんの性格に合わせたアプローチができ、患者さんとのコミュニケーションが円滑になるのです。 私が行っている薬局薬剤師向けの研修(3☆ファーマシスト研修)の受講者から聞いた話ですが、この手法を薬局スタッフに当てはめて運用するとチームワークも改善するそうです。ぜひこの性格タイプ別のアプローチ法を身に付けて、皆さんの臨床現場で実践してみてください。 理論 興味や関心が向かう方向「内向」・「外向」を横軸に、自分の行動を決断する時の傾向「直感」・「合理」を縦軸においてそれぞれの性格タイプを4色に分けると図1のようになります。 図1 性格タイプの4つの色 4タイプの特徴は表1のとおりです。色別にしていることで、直感的に理解しやすく、覚えるのが容易になります。例えば、赤色は「情熱の赤」で積極的に主張できる人、黄色は「輝く太陽やひまわり」、青色は「冷静、クールブルー」、緑は「広大な芝生のグリーン」といったイメージです。特徴は強みにもなりますが、行き過ぎると弱みになることがわかります。患者さんの性格タイプを見分けるためには、投薬時だけでなく薬局に入ってきた時や待合室での様子をよく観察しておくことも大切です。また、投薬時の話し方や聞き方にも特徴があります〈表2〉。 表1 4色タイプの特徴と弱み 表2 4色のタイプを見分けるコツ 人は4色全てを持っている 4つの性格タイプで注意しなければいけないのは、どの人も4色の特徴をすべて持っていて、場面によって使い分けているという点です。例えば、職場では押しが強い社長で赤色が主に出ている人であっても、家庭では物静かで青色が強くなっているかもしれません。一般的に、病院薬剤師は正確性を問われる仕事のためか青色が多く、薬局薬剤師は緑色が多い傾向があるのですが、薬局長や管理薬剤師になると決断を迫られる場面が増えるせいか赤色が強くなります。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×