薬剤師のためのがん治療用語/奏効率(response rate) 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 用語の意味を把握しよう! 「奏効率」ってなぁに? (1)、(2)のどちらの意味でしょう。(1)雅楽用語で"かなで-きき-ひきゐる"と読み、大層優れた奏者を「奏効率の御方」とお呼びする(2)臨床試験で治療効果をみる指標の1つで、がんの大きさが30%以上小さくなった人の割合 こたえ:(2) 完全奏効 + 部分奏効の割合 がん治療薬の臨床試験では、効果を厳密に評価する必要があるため、世界的に使用されている判定規準があります。それが、RECIST(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors :固形がんの治療効果判定)Groupという、欧米の研究者グループが作成した「RECIST(レシスト)ガイドライン」です。がん(標的病変)の大きさがどのように変化したかで、4つに分類されます〈表1〉。なお、がん(標的病変)の大きさは、CTまたはMRIを用いて最長径を測定することで算出します。 表1 がんの縮小効果の評価 奏効率(response rate; RR)とは、臨床試験において有効性をみる重要な指標の1つであり、RECISTガイドラインで完全奏効(CR)となった人と、部分奏効(PR)となった人を足した割合を指します〈表2〉。つまり、がん治療により、がんが30%以上小さくなった人の割合を意味します。 なお、『RECISTガイドライン』は、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)のウェブサイトからダウンロード可能です(http://www.jcog.jp/doctor/tool/)。 表2 奏効率の算出例 Advance!! もっと詳しく知りたいあなたへ RECISTガイドラインは、その名が示すように「固形がん」に対して適用される治療効果判定規準です。固形がんとは、大腸がんや胃がんなど、がんが"かたまり"として形を成すものを指します。では、固形がんではないがんとはなんでしょう?それは「血液のがん」です。血液のがんには、白血病(白血球のがん)や、悪性リンパ腫(成熟したリンパ球のがん)、多発性骨髄腫(形質細胞のがん)が含まれます。 なお、悪性脳腫瘍も固形がんでありRECISTガイドラインを適用できますが、これとは別に、悪性脳腫瘍独自の効果判定規準も作成されています。 [PharmaTribune 2013年2月号掲載] 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×