薬剤師のための褥瘡薬物療法/治癒期間短縮とコスト削減に貢献しよう(前編) 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 褥瘡は疾患です。古くから"床ずれ"と呼ばれてきたことが疾患とは異なる認識を作り上げてきましたが、その病態を的確に評価することで、今や治る疾患になりました。そこに貢献してきたのは、薬剤師ならではの視点です。 本シリーズでは、そのコアとなる外用薬の選択方法と、その効果を発揮させるための創環境の保持について取り上げてきました。最終回となる今回は、このシリーズの根幹となる"FURUTA method"を用いた薬剤師介入による褥瘡治療への貢献度を数値で示します。 褥瘡治療で重要なこと 褥瘡の局所治療では、(1)湿潤環境を適正に保つこと〈図1〉、(2)外力による創内の薬剤滞留障害を防止し、薬剤を滞留させることが重要です。そのためには、薬剤の特性に基づいた湿潤調節と、高齢者の皮膚の特徴を考慮した薬剤滞留の維持が不可欠です。 図1 適正な湿潤環境の保持 現行のガイドラインはあくまでも基本 日本褥瘡学会の褥瘡予防・管理ガイドラインには、治療に用いる外用薬や創傷被覆材に関する指針が記載されています。しかし現行のガイドラインは主薬による分類であり、基剤の効果が十分反映されていません。外用薬では、以前は基剤の特性を考慮した使い方がされていましたが、ステロイド外用薬の開発により主薬重視に転換しました。しかし、褥瘡のような潰瘍面では適正な湿潤調節がまず重要となり、基剤特性が関係します。そして、主薬の効果は湿潤調節によって適正化された湿潤環境において発揮されます。その点が現行のガイドラインでは十分に修正されていないために、ガイドライン通りでは改善しない場合があります。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×