薬剤師のための皮膚科処方箋/帯状疱疹の処方箋 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究所所長(監修)だんの皮フ科クリニック 段野 貴一郎 帯状疱疹に対する経口抗ウイルス薬と外用薬処方例 疾患 帯状疱疹 処方意図 抗ウイルス薬の内服でしっかりウイルス増殖を抑えたい紅斑部では,コンベック®軟膏の消炎作用を期待したい水疱・びらん部では,ゲンタシン®軟膏で二次感染を予防したい。軟膏基剤による創面保護作用も期待できる 処方薬の要点 薬剤:ファムビル®錠25mg 一般名:ファムシクロビル経口抗ヘルペスウイルス薬帯状疱疹に対する基本的治療薬 薬剤:コンベック®軟膏5% 一般名:ウフェナマート非ステロイド消炎外用薬軽度の湿疹・皮膚炎、帯状疱疹などに用いられる 薬剤:ゲンタシン®軟膏0.1% 一般名:ゲンタマイシン硫酸塩アミノグリコシド系抗菌外用薬表在性皮膚感染症、びらん・潰瘍の二次感染などに用いられる 用法(外用薬) 1日2回の単純塗布水疱・びらん部ではガーゼ被覆 その他のポイント 皮疹の状態に合わせて、2種類の外用薬が処方されている 患者さんにこうやって伝えよう! ファムビル®錠は帯状疱疹を治すもっとも大切なお薬なので、指示通り内服してください2種類の外用薬が皮疹の状態に合わせて処方されています紅斑部(赤いところ)へは、コンベック®軟膏を朝と夜(入浴可の場合は入浴後)塗布してください水疱・びらん部(ただれているところ)へは、ゲンタシン®軟膏を1日2回塗布し、ガーゼで覆ってください Dr.Dannoのコレは覚えておきたい! 帯状疱疹と単純ヘルペスの違い 帯状疱疹と単純ヘルペスの原因ウイルスは、どちらもアルファヘルペスウイルス亜科に属し、神経細胞に潜伏感染できるという特徴を持ちます。治療は抗ウイルス薬による治療が中心ですが、症状、発症部位は異なります。帯状疱疹は、治療後も痛みが残ることがあります(帯状疱疹後神経痛)。帯状疱疹後神経痛は高齢者に多いとされています。 帯状疱疹の治療方針と治療薬 帯状疱疹の治療は、経口抗ヘルペスウイルス薬の使用が基本です。疼痛に対しては、非ステロイド消炎・鎮痛薬の内服、皮疹に対しては、状態に応じて、抗ヘルペスウイルス外用薬、非ステロイド消炎外用薬、抗菌外用薬などの外用薬を同時処方します。 ●内服薬 バラシクロビルまたはファムシクロビル 年齢、腎機能状態に合わせて、用法・用量を調節する軽症例、発症後1週間以上経過している例では処方されないこともある ●外用薬 抗ヘルペスウイルス外用薬(アシクロビル軟膏、ビダラビン軟膏) 非ステロイド消炎外用薬(ウフェナマート軟膏、スプロフェン軟膏) 抗菌外用薬(ゲンタマイシン軟膏、フシジン酸ナトリウム軟膏) 皮膚潰瘍治療薬(スルファジアジン軟膏、スルファジアジン銀軟膏) その他の解説(服薬指導・生活指導を含む) 高齢者・腎不全患者では、経口抗ウイルス薬の過剰投与によって、もうろう状態などの精神神経症状が出現することがある病変部を清潔に保つ水疱・びらん・潰瘍を伴う場合は、入浴を禁止する過労に注意し、抵抗力を落とさないよう規則正しい生活を心がける この症状にピンときたら受診勧奨! 帯状疱疹の治療で重要なのは、帯状疱疹後神経痛に進行させないことです。そのためには、早期の診断・治療が大切です。 ピリピリした痛みがあるからだの片側だけに痛みや発疹(紅斑・小水疱など)がある場合は、早急に受診することをお勧めします 前回の「白癬の処方箋」はこちら 次回(最終回)の「小児のとびひの処方箋」はこちら [PharmaTribune 2013年6月号掲載] 監修者 ● 段野貴一郎 日本皮膚科学会認定皮膚科専門医皮膚科からの患者さんに「このステロイドって強いの?体に悪くない?」と突然相談されて、答えに困ってしまったことはありませんか?ステロイド外用剤による治療は、薬の適切な使用がなにより大切。患者さんに尋ねられたときの薬剤師の対応が、その後の服薬コンプライアンスを左右するといっても過言ではありません。「皮膚科処方箋研究所」では、皮膚科処方箋の読み解き方と外用剤の服薬指導を経験豊富な皮膚科専門医がお教えします。【略歴】1975 年 京都大学医学部卒業1977 年 カリフォルニア大学留学1984 年 京都大学医学部皮膚科講師1987 年 天理よろづ相談所病院皮膚科部長1992 年 滋賀医科大学皮膚科准教授2008 年 滋賀県栗東市にてだんの皮フ科クリニック」開院 皮膚科の薬剤をもっと学びたい人に・・・ ここがツボ!患者に伝える皮膚外用剤の使い方 改訂2版著 段野貴一郎(だんの皮フ科クリニック)B5判・148頁 定価(本体3,400円+税) ISBN978-4-7653-1569-2http://www.kinpodo-pub.co.jp/shosai/e1811-1569-2.html 保湿剤、ステロイド、免疫抑制外用剤・・・さまざまな処方箋を例に、段野医師が処方意図の読み方と服薬指導のコツを解説します。処方鑑査のポイントや外用剤の製剤特性など、薬剤師であれば知っておきたい外用剤の基礎知識を、わかりやすく紹介。読んだ次の日から実践できる、即戦力の一冊です。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×