【其の四】海外の家庭医の診察室「構造」に学ぶ

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 今回は、海外の家庭医の診察室を紹介し、診察室の構造と患者-医療者間のコミュニケーションについて考えてみたいと思います。

 2012年の統計によると、オランダでは医師全体の約40%、イギリスでは約30%を家庭医が占めています。患者が最初に受診するのは家庭医が圧倒的に多いため、欧州や北米の家庭医は、ありとあらゆる日常的な健康問題に対応できるようにトレーニングを受けています。乳幼児から高齢者にわたり、急性・慢性疾患やメンタルヘルス、性に特有の問題、緩和・終末期ケアまでを扱う家庭医は、幅広い状況に対応するために知識や技術だけでなく、高いコミュニケーション能力が求められます。では、コミュニケーションの観点から見た、海外の家庭医の診察室をのぞいてみましょう。

孫 大輔 (そん・だいすけ)

東京大学医学教育国際研究センター講師。2000年,東京大学医学部卒業。医学博士。看護学博士。日本プライマリ・ケア連合学会家庭医療専門医。腎臓内科医,総合診療(家庭医療)医として勤務した後,2012年から現職。医学部4年生を中心に臨床診断学や医療コミュニケーション教育に従事する一方,ヘルスコミュニケーション,医学教育学をテーマに研究も行う。「家庭医」としても診療を続ける。2010年に市民・患者と医療者が健康や医療についてフラットに対話できるカフェ型ヘルスコミュニケーションを実践する「みんくるカフェ」(みんくるプロデュース代表に就任)を設立。養成したファシリテーターによる活動が全国展開している。

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