〈エニグマCase File 3〉胸部圧迫感、発熱と下痢を起こした84歳の男性

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 日常診療で診断が難しい症例に出合ったら、あなたはどうしますか? 私たちは、診断困難な症例を「エニグマ症例」と名付けて全国から集め、それを発表する「未病・エニグマ症例検討会」を開いています。

 このコーナーでは、総合診療医の登竜門ともいえる同検討会で発表された症例の中から優れたものを集め、クイズ形式で紹介していきます。「エニグマ」とは「謎」を意味する言葉で、第二次世界大戦で活躍したドイツの暗号機の名前としても有名。エニグマ症例をいかにスマートに診断・治療するかが、臨床医の腕の見せ所です。神は細部に宿る――注意深く観察することで、患者さんはきっとサインを示してくれるでしょう。

未病・エニグマ症例検討会 代表世話役 福生吉裕

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【症例】84歳、男性
【主訴】胸部圧迫感、発熱、下痢
【現病歴】高血圧、脂質異常症、前立腺肥大症で近医に受診中である。1年前に完全房室ブロックに対しペースメーカ(DDD)植込み術を施行された。201X年12月24日から39℃の発熱があり、27日朝には胸部圧迫感や下痢も出現したため、同日、内科に受診となった。
【既往歴】30歳:肋膜炎、77歳:前立腺肥大症(手術)
【家族歴】特記すべきことなし
【生活歴】 飲酒歴 なし
      喫煙歴 20~84歳:15~20本/日
【来院時現症】
意識清明、血圧 133/71mmHg、脈拍 109/分・整、体温 37.1℃、SpO2 95%(room air)
頭部:眼瞼結膜 貧血なし、眼球強膜 黄染なし
胸部:心雑音なし、呼吸音は正常
腹部:平坦・軟、腸蠕動音は正常
四肢:下腿浮腫なし、痺れや筋力低下なし

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