薬剤師からの問い合わせ「疑義照会」にどんな印象を持っていますか? 患者にとってはもちろん、医師にも、薬剤師にも役に立つ疑義照会の形を考えるため、Medical Tribuneでは医師と薬剤師にアンケートを行いました(関連記事)。 今回は薬剤師が「疑義照会を円滑に行うために,医師に伝えたいこと」第三弾です。なかなか表立って話しにくいこの話題。薬剤師の心の声を聞いてください。 適応外処方する理由をコメント欄に記入してほしい あらかじめ、疑義照会になりうる事項や添付文書と異なる事項には、処方箋にコメントがあると良いと思います。(男性、薬局薬剤師) 承認内容と異なる処方の場合、ぜひコメントを入れてほしい。特に大学・大病院など専門性の高い機関・処方医の場合。(男性、薬局薬剤師) 適応外処方や通常よりも多い処方などは、疑義照会しないといけないですが、せめて備考欄に記載があれば、疑義照会はかなり減ると思います。「あえて」の処方か「間違い」なのかを確認しないと調剤できません。(男性、薬局薬剤師) 適応外処方や用量調節などに関しても、できれば処方箋のコメントとして一言添えていただけると、形式的な疑義照会は非常に少なくなると思います。(現状そのままにしておくと、それだけで個別指導の対象になってしまいますので)(女性、薬局薬剤師) 医師の思いや考えを薬剤師に伝えてほしい。疑義照会は誤りを見つけるだけでなく、「あえてこういう処方をしているんだ」と教えていただきたい。(女性、薬局薬剤師) 添付文書から大きく外れる処方をするときは、「容認」とか「照会不要」とか処方箋に一言コメントを付けて、患者さんにはどうしてそのようになったのかを口頭で説明してほしい。(女性、薬局薬剤師) 併用禁忌である組み合せを処方する場合、余白にコメントを記入していただきたい。疑義照会をしても、「処方箋通りでよい」だけの回答が多い。(男性、薬局薬剤師) 処方箋のチェック欄の有効活用を 残薬が判明した場合の日数調整照会は、正直煩わしいだろうと考えますので、処方箋の下部にあるチェックボックスに、チェックをお願いしたい(いまだにほとんどの処方箋において、両方とも空欄が目立つ)。(男性、薬局薬剤師) 備考欄への変更不可の理由など、納得できる内容の記載があると不要な疑義照会が防止できる。(男性、薬局薬剤師) 規格が複数ある製剤の半錠、1/4錠処方のときには、コメントで「○mg 1Tでも可」などの記載があると照会せずに行える。コメント欄をうまく使って、余分と思われる照会を減らすこともでき、時間や手間を取らせることも減ると思います。(女性、薬局薬剤師) コメント欄から掘り下げて勉強につなげる 疑義照会に対して処方変更をしない場合は、簡潔でよいので、理由も添えていただけるとありがたいです。知っていることなら患者さんへの説明にも自信が持てますし、知らない内容であればそこから掘り下げて勉強する手がかりにできると考えています。(女性、薬局薬剤師) ※コメントは、弊社薬剤師向けウェブサイトPharmaTribuneウェブ、月刊誌PharmaTribuneに掲載させていただく場合がございます。 【薬剤師調査】調査方法:PharmaTribune 86号(2016年11月)へのアンケート票の同封によるFAX 返信およびPharmaTribuneウェブでのインターネット調査。調査期間:2016年11月15日~12月1日回答者数:薬剤師381人勤務先:薬局306人、病院60人(無回答除く)