薬剤師のための漢方薬講座/五臓 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 亀田総合病院 東洋医学診療科南澤 潔 氏 「五臓」とは東洋医学的な仮想の機能単位で、肝(かん)、心(しん)、脾(ひ)、肺(はい)、腎(じん)の5つを指します。 『傷寒論』が書かれた2000年ほど前の中国では、五行説という思想が強い影響力を有しており、医学の世界にもその世界観が導入されたものと思われます。五行説は、世の中は木(もく)、火(か)、土(ど)、金(ごん)、水(すい)の5要素から成り立ち、お互いに関連し合っていてそれらの調和が大切という考えで、今でも「易」(占い)にその面影を残しています。「五臓」を「五行説」に当てはめると「肝」が「木」、「心」が「火」、「脾」が「土」、「肺」が「金」、「腎」が「水」にそれぞれ対応します。 肝、心、肺、腎は比較的現在の臓器と相違が少ないのですが、脾は大きく異なっており誤解と混乱の元になりがちです。前述したように、消化機能をつかさどる消化液の分泌臓器も含めたいわゆる「胃腸」を指すと理解すればよいでしょう。 五臓には「相生相剋」という相互関係があります。肝と脾には「木剋土(もっこくど) 」といって、「肝」の属する木火土金水「木」のグループは、「脾」の属する「土」のグループを弱めるという関係にあります。肝の異常は脾の機能を弱めるというわけで、怒りなどで肝が亢ぶると食欲が低下する理屈です。 ◆執筆者◆ 南澤 潔 氏 医学博士日本東洋医学会 漢方専門医・指導医日本内科学会 総合内科専門医・指導医日本救急医学会 救急科専門医 【ご略歴】1991年 東北大学医学部 卒業1991年 武蔵野赤十字病院 研修医1993年 富山医科薬科大学(現 富山大学)和漢診療科1995年 諏訪中央病院 内科1996年 成田赤十字病院 内科1999年 麻生飯塚病院 漢方診療科2001年 富山大学 和漢診療科2006年 砺波総合病院 東洋医学科 部長2009年 亀田総合病院 東洋医学診療科 部長 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×