薬剤師の在宅活動に関する素朴な疑問を取り上げてきた本コーナー。なんとなく在宅活動が分かってきたけれど、いざ実践となると、「唐突なハプニングに対応できる自信がない」という初心者の方もいるのでは。実際の活動で起こりえる落とし穴(ピットフォール)を事例に挙げ、その対応方法、解決策を探っていきます。 担当者会議に出る暇がありません 薬局のスタッフが少なく、担当者会議が開かれる時間帯に都合をつけられないことが多いです。患者さんと多職種で情報を共有する重要な場であることは分かっていますが、どうしても出られない場合、どうしたらよいでしょうか。アドバイザーの皆さんは、担当者会議に出席できなかった経験はありますか。その場合のフォローはどうされましたか。また、普段から会議に出席するために行っている対策や準備はあるのでしょうか。 なんとかやりくりして参加を 担当者会議に出られないときは、必ずケアマネジャーから送られてきた報告用紙に現状の問題を書いて提出します。そのことについて担当者会議で話し合われたのであれば、結果も教えてもらえます。 それでも、なんとかやりくりをして出席することをお勧めします。全員が忙しい中でやりくりして出席しています。「15分だけ参加します」と言って、要点だけ発言して退席する方もいます。 1人薬剤師で「担当者会議なので」と貼り紙をして、店を閉めて出席している方の話を聞いたこともあります。 出席できなくても事前に報告 私は担当者会議に呼ばれたら、よほどのことがない限り参加するように心がけています。しかし、どうしても都合がつかず出席できないこともあると思います。物理的な問題なので、これはある意味、仕方がないことかもしれません。 「会議」と名がつくと、その場で議論したり今後の方針を熟考したりと思いがちです。担当者会議は、皆で顔を合わせてお互いの進捗状況を確認し、わからないことや気になっていることを直接質問し合う場だと、私は捉えています。担当者会議では、顔の見えない関係から顔の見える関係性が構築されます。そこに大きな意味合いがあると思います。 薬剤師として他職種やご本人・ご家族に伝えたいこと、質問事項は、あらかじめ文書にしてケアマネに渡しておくことで、たとえ自分がその場にいなくても会議で代弁していただけると思います。 出席できなくても、参加意思を示すことは大事です。チームの一員として、「参加もせず・意見も言わず」はしてはならないと思います。 事務スタッフに代わってもらったことも 担当者会議は、医師も診療時間と重なっていて出られないことがあります。 医師の出席が必要不可欠だとケアマネが判断して会議が夜になったこともありますが、私たち薬剤師のために時間を調整してくれるまでには至っていません。 できる限り都合をつけて出席していますが、どうしても出席できないときにはケアマネに連絡し、開催の目的を伺って、それに対する私の意見をお伝えしたり、報告書を作成して事務スタッフに代わりに出席してもらったことがあります。 人員の確保を 担当者会議に出席できない場合は、薬局で把握している状況や問題点、薬剤以外での気付きや要望などを文書にして、ケアマネに知らせておく必要があると思います。 提供する情報が何もないことはありません。経営面などで大変だとは思いますが、患者が増えてくるようであれば、人員の確保に努めなければならないと思います。 〈関連記事〉サービス担当者会議で何をするの?