【Essay】医療界の変遷

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 私が医学部を卒業した昭和50年代前半の日本人の寿命は男性が約72才、女性が約78才、死因の第1位は脳血管障害、2位は悪性新生物、3位は心疾患でありました。平成26年のそれは80才、86才、悪性新生物、心疾患、肺炎となっています。長い間医療に携わり、ふと振り返り考えてみますと、医療も大変化を遂げていることに気付きます。CT、MRI、手術道具、診断力の進化、健康診断、予防医療、医療技術などの進歩は明らかで目を見張るものがあります。それらは人間の努力の賜物で素晴らしいことです。心疾患にはステント、アブレーションなど、脳梗塞にはt-PAなど、先ほど述べましたが技術の進歩には驚くばかりです。結果として長寿大国、高齢化社会となりました。2025年問題、医療費の増加も深刻であり、果たして、国民皆保険制度が保たれるかどうかも疑問です。冒頭で述べましたように、命が救われ長寿になる。すると、悪性新生物、認知症、肺炎が多くなる。現在はこのサイクルに嵌っているようです。医療界も変わりました。

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