ケトン食に抗がん作用? がん種によるかも

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研究の背景:ケトン食に対する関心が世界的に高まっている

 糖尿病治療食として糖質制限食が広がりつつある中で、その極端な形であるケトン産生食(以下、ケトン食)についても注目が集まっており、わが国においてもケトン食に関する研究が始まっていることを以前紹介した(関連記事「日本初『ケトン産生食』研究への苦言と期待」)。

 既に治療効果が確立されている難治性てんかんのみならず、がんに対しても有効性があるのではないかとして研究が盛んに行われているようである※1

 こうした流れの中で、ケトン食のがん患者に対する作用を検討した韓国のグループのシステマチックレビューの結果が、J Cancer Prev2017; 22: 127-134)に掲載された。

 その韓国のグループによると、実際のがんの予後まで検討できた研究はまだ存在しない。このような中、ケトン食の抗がん作用について基礎的検討を加えた論文が中国のグループからJ Lipid Res2018年2月5日オンライン版)に報告された。

 正直、いずれの論文も糖尿病ともその他の代謝性疾患とも関連しない内容ではあるが、食事療法の一環として注目される。両者を合わせてお伝えし、現時点におけるケトン食のがん治療に対する期待と限界について考えてみたい。

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