お母さんの薬剤管理が進化! 対話で支えよう
薬剤師必見!残薬管理この一手! Life happy well 福井繁雄
LIFE HAPPY WELL
福井 繁雄
19歳のある日、「薬飲んだら頭痛くなるんよ」という祖母の一言をきっかけに、残薬について考えるようになった僕。それから薬剤師になり、残薬解消のための活動を始めた。
このコラムでは、薬局薬剤師の僕が在宅や薬局での業務の中で行った、残薬に関する取り組みを紹介する。僕の奮闘記が全国の薬剤師の励みになるだろうかーー。
この記事のポイント
- 残薬確認と同時に聞き出した情報を駆使して診察の助手になろう
- 対話を重視する小児科医がお母さん達を「第2の小児科医」に育てている
- 薬剤師も同様に対話を通して患者さんの服薬をサポートしよう
患者さんとの対話に医師の知らない情報が潜む
今、とある薬局で外来を中心に毎日150~300名の患者さんを相手にしている。
当たり前だが、患者さんとの対話では「この薬の」とか「この症状の」といった話がよく出てくる。こんなとき、薬剤師は診察の助手でもあるなと感じる。
前回出た薬に残薬がないか確認していると、
「お医者さんに、肌乾燥の保湿剤の話をするのを忘れた!」とか、
体調はどうかと聞いたら、
「喉がいがいがするのに、病院でトローチをお願いするのを忘れた!」とか、患者さんから医師に伝え忘れた情報がぽろぽろと出てくる。
「お母さんが小児科医にならなきゃいけない」
残薬確認から派生する会話は、書ききれないほどにある。その中でも、目を見張るような薬剤管理をしているのが近所の小児科を受診するお母さんたちだ。とりわけ残薬管理が素晴らしい。
鼻水が気になると出る、「いつものシロップ」......ザイザルシロップ。なんと、残薬を保存するために原液を指定するお母さんが増えてきた。「水で薄めるのは、直前でもよいかな」と言う。
「お母さんが小児科医にならなきゃいけない」と、医師が言っていたそうだ。自宅での子供のケアをサポートするために、先生はお母さんへ真っ向勝負で診断を伝え、服薬指導をしているのだ。なぜ飲まなければいけないのか、どういう効き目があるか。子供に説得するお母さんが理解していなければならない。薬剤師にも、医師と同様の対応が求められる。「どうすれば子供がきっちり服薬できるか」、お母さんと一緒に考えていくべきだ。
小学3年になれば薬剤管理は確実に
余談だが、私の息子は喘息もちだ。だから、キプレスチュアブルを服用している。9歳の彼は、薬を飲み忘れたら、しんどいのは自分だと分かっている。だから、キラキラと光るラムネの缶に入れて保管し、寝る前に取り出して飲んでいる。残薬があと何錠あるかもチェックしている。小学校3年生にもなれば、薬の管理は確実にできるようだ。このように本人が主体性をもって残薬管理を行うことは、生活、健康管理にもつながる。歯磨きや、起床後に顔を洗うことと同じように、身体にしみこませてしまえばよい。
子供であっても薬の管理はしっかりとできる。ただし、そのためには窓口での対話が欠かせない。薬剤師は対話の重要性を再認識し、明日は今日よりもう少し、患者さんに近づいてみてほしい。今までの会話からもう一歩踏み込むことで、思わぬ情報を聞き出し、よりよい指導につなげられるかもしれない。

【福井繁雄氏プロフィール】
薬学部卒業後、透析、CKD、ガン専門の薬局に13年勤務し、現在は在宅医療に関わっている。学生時代から行ってきた家族(特に祖母)のお薬管理を通じて、残薬管理に疑問を持ったことが、在宅医療に関わるようになった理由。これまでの経験を他の薬剤師にも生かしてもらいたいと、全国での研修会を月一回、行っている。自身は、生後3週間でアトピー性皮膚炎を発症し、リバウンドも経験。アトピー罹患者としての講演も行っている。
【研修会】
日本薬剤師研修センター認定の研修を月1回開催しています。
開催スケジュール:日本薬剤師研修センター受講シール2単位取得研修会(LIFE HAPPY WELL)
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