<エニグマCase File 10>突然ふらつき電柱にぶつかった!? その原因疾患とは ~突然ふらつき、頭痛が出現した81歳男性~ 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 【症例】81歳、男性 【主訴】歩行時ふらつき、頭痛 【現病歴】某日15時ごろ歩行中に急に浮動感とふらつきが出現し、左顔面を電柱にぶつけた。その後ふらつきが継続した。頭痛と嘔気も出現し、帰宅後もいろいろな物にぶつかるようになり、その後立位困難となり這うようにして移動するようになった。翌日も同様の症状が持続することから掛かり付けの診療所に受診し、頭痛と嘔気もあり脳卒中が否定できないことから当院脳血管内科に紹介受診となり、精査加療のため入院となった。 【既往歴】80歳:前立腺肥大症(手術)、56歳:慢性心房細動 【内服薬】ダビガトラン(110mg)2T2×、ファモチジン(10mg)2T2×、オロパタジン塩酸塩(5mg)2T2× 【家族歴】特記すべき事項なし 【アレルギー歴】特記すべき事項なし 【生活歴】発症前日常生活動作(ADL):自立、独居生活 【職業】会社役員 【嗜好歴】喫煙歴:10本/日(26~31歳)、飲酒歴:機会飲酒 【入院時現症】 意識清明、BP 166/88mmHg、HR 65/分・不整、BT 38.3℃、SpO2 98%(室内気) 頭頸部:特記所見なし、胸部:呼吸音清、心雑音なし、腹部:平坦、軟、圧痛なし 神経学的所見:JCSⅠ- 0、GCS E4V5M6、左半側空間無視あり、左消去現象あり、構音障害あり、失語なし 利き手:右 視野:左同名半盲、眼球運動:可動制限なし、偏視なし、顔面麻痺:両側なし Barrē試験:両側陰性、Mingazzini試験:両側陰性 触覚:右下肢で軽度低下 髄膜刺激症状なし 【検査所見】 胸部Xp:CTR 61%、肺野異常なし ECG:HR 73/分、心房細動 【入院時血液検査】 [血算] WBC 5,800/μL、Hb 9.6g/dL、PLT 15.3X104/μL [生化学] Alb 3.7g/dL、BUN 11.5mg/dL、Cre 0.78mg/dL、TG 36mg/dL、LDL-C 66mg/dL、HDL-C 56mg/dL、T-Bil 0.8mg/dL、AST 29IU/L、ALT 17IU/L、ALP 189IU/L、γ-GTP 78IU/L、LDH 269IU/L、CK 126IU/L、AMY 69IU/L、Na 141mEq/L、K 4.2mEq/L、Cl 108mEq/L、Ca 8.7mg/dL、CRP <0.3mg/dL 、GLU 107mg/dL、HbA1c 6.0% [凝固] APTT 42.6秒、PT-INR 1.38、D-ダイマー 1.2μg/mL 【入院時頭部単純CT】 右頭頂葉に9mL程度の皮質下出血と思われる高吸収域を認める 入院時現症や画像所見のまとめ 発熱(BT 38.3℃)、血圧上昇(BP 166/88mmHg)を認め、神経所見では構音障害、左半側空間無視や左半身の軽度感覚低下を認めた。また頭部CTにて右頭頂葉に皮質下出血を認めた。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×