レムデシビルは決定打になりうるか

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研究の背景:COVID-19は治療薬の検証が難しい感染症
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の治療あるいはワクチン予防は、非常に注目されている(当然だが)。既に、200件以上の臨床試験が登録されているという。
本稿執筆時点(5月28日)では、日本はほぼほぼ第一波を乗り越えようとしているさなかにある(幾つかの懸念事項はあるが)。治療薬については、ファビピラビル(アビガン)、ヒドロキシクロロキン(プラケニル)、レムデシビル(ベクルリー)、ロピナビル/リトナビル(カレトラ)、治癒者の抗体、イベルメクチン(ストロメクトール)、ステロイド、その他の免疫抑制効果を持つ薬など、数多くの治療が試されたり、検討/吟味されたりしてきた。
その中で、特に日本で話題になっていたのがアビガンとレムデシビルである。商品名と一般名を並べるのもなんだが、どちらも世間的に通りがよいので、あえてこうする。アビガンについては安倍首相が「5月中の承認を」とコメントしていたが、臨床データに乏しいため、これは見送られたようだ。臨床研究情報ポータルサイトによると(5月28日検索)、日本で現在行われている臨床試験は3つだが、そのうち1つは単群試験である。2つ目は無症状・軽症患者を対象とした非盲検試験で、臨床的に重要なアウトカムの検証はやや困難だ。3つ目は、肺炎を伴う感染者をファビピラビル群とファビピラビル+ナファモスタットメチル酸塩併用群に分けた比較試験なので、アビガンの効果「そのもの」は検証し難い。
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岩田 健太郎(いわた けんたろう)

1971年、島根県生まれ。島根医科大学卒業後、沖縄県立中部病院、コロンビア大学セントルークス・ルーズベルト病院、アルバートアインシュタイン医科大学ベスイスラエル・メディカルセンター、北京インターナショナルSOSクリニック、亀田総合病院を経て、2008年より神戸大学大学院医学研究科教授(微生物感染症学講座感染治療学分野)・神戸大学医学部付属病院感染症内科診療科長。 著書に『悪魔の味方 — 米国医療の現場から』『感染症は実在しない — 構造構成的感染症学』など、編著に『診断のゲシュタルトとデギュスタシオン』『医療につける薬 — 内田樹・鷲田清一に聞く』など多数。
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