"HDL-C上昇薬"に生き残りの道は? CETP阻害薬dalcetrapibに糖尿病発症抑制の報告 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:既報の心血管アウトカム試験の結果は芳しくない 以前、コレステロールに関する"The Lower, the Better"(コレステロール値は低ければ低いほど良い)という概念に合致しない報告として、CETP阻害薬evacetrapibについての論文をご紹介したことがある(N Engl J Med 2017;376:1933-1942、関連記事「"HDL-C上昇薬"の悲劇と不可解」)。 CETPとはcholesteryl ester transfer proteinの略であり、HDL中のコレステロールを引き抜いて、VLDLやLDL中の中性脂肪と交換する蛋白質である。これを阻害することにより、HDL-Cを高値に保ち、一般にはLDL-Cを低下させることができる。 しかし現在まで、CETP阻害薬の心血管アウトカム試験ではあまり芳しい結果が出ておらず、The lower, the betterの原則から外れており、少なくともわが国において市販されているCETP阻害薬はない。 そんな中、CETP阻害薬dalcetrapibにより糖尿病発症が抑制されていたというdal-OUTCOMES試験のサブ解析結果が米国糖尿病学会の機関誌に報告された(Diabetes Care 2020;43:1077-1084)。今後、CETP阻害薬に生き残りの道があるかどうかは不明であるが、脂質プロファイルと心血管疾患との関係性、あるいは脂質プロファイルと血糖との関係性を明らかにする上で注目すべき薬剤カテゴリーであると考え、ご紹介したい。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×