精神疾患に対する東洋医学的アプローチでは、精神症状よりも随伴する身体症状に主眼を置く。漢方薬を処方するのは、向精神薬との併用などにより愁訴が極めて多岐にわたる場合、軽度の抑うつ症状や神経症などで長時間作用型のベンゾジアゼピン(BZD)系薬を処方すべきか判断しかねる場合などである。今回は、心身医学領域における東洋医学的なアプローチについて紹介する。