実地医家も糖質制限食の指導を! 米国で発表された実践的指導法 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 総説の背景:糖質制限食は是か非かではなく、いかに指導するかの時代に この15年で、糖質制限食の取り扱いは大きく変遷した。2006年まで米国糖尿病学会(ADA)は科学的根拠の不足から、糖質制限食を推奨しないとしていた(Diabetes Care 2006; 29: 2140-2157)。 しかし、2008年に体重減量のための食事法の1つとして、1年までの期間限定で糖質制限食の有効性を認め(Diabetes Care 2008; 31: S61-S78)、2013年には期間の制限をなくして、地中海食やDASH食などと並列に糖尿病食事療法として糖質制限食を採用した(Diabetes Care 2013; 36: 3821-3842)。 さらに、2019年には最も血糖改善に有効性のある食事法として糖質制限食を取り上げ、地中海食やDASH食などを指導する場合でも、糖質制限を適用すべきだと言及するに至ったのである(Diabetes Care 2019; 42: 731-754)。 そのような中、米・ミシガン大学のGriauzdeらのグループが肥満や2型糖尿病の患者に糖質制限食を指導する際の実践的な指導法についての解説論文を発表し、4つのステップから成る指導法を推奨した(Front Nutr 2021; 8: 682137)。Griauzdeらは、ここ10年ほどの間に食事療法の概念として、1つの食事法が全ての患者にとって最善(one-size-fits-all)ということはないと考えるのが普通になっている(JAMA 2013, 310, 2147-2148)と主張し、"one-size-fits-all"の食事法が存在しないなら、臨床家たるもの、選択肢の1つとして糖質制限食を指導できるようにすべきだとしたのである。 そして、supplementを添付し、糖質制限食で代謝指標が改善し薬物使用量を減量できた3例の症例報告と、それとは別に糖質制限食指導を受け、満腹になることを許された9件の患者の生の喜びの言葉を記している(このsupplementについてはあくまでも逸話であるので、今回の私の記事からは除外する)。 2019年に発表された、糖質制限食導入の際にいかに糖尿病治療薬を調整するかについて解説した一般医家向けの論文(Br J Gen Pract 2019; 69: 360-361)と併せ、その内容をご紹介したい。今回は特に、実地医家の先生方にお読みいただけることを切望している。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×