メタボの見直し迫る「代謝学的に健康な肥満」 ウエスト周囲長を診断の必須項目とし続けるのか 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 研究の背景:世界と異なる日本のメタボリックシンドローム診断基準 メタボリックシンドローム診断基準は、日本では2005年に8学会合同で作成されたが(日本内科学会雑誌 2005; 94: 794-809)、ほぼ同時期に国際糖尿病連合(IDF、Lancet 2005; 366: 1059-1062)、米国心臓協会・米国立心肺血液研究所(AHA/NHLBI、Circulation 2005; 112: 2735-2752)からも発表された。 これら3者の最大の違いは、ウエスト周囲長によって示される内臓脂肪の蓄積を診断の必須項目とするかどうかであった。日本やIDFはウエスト周囲長をメタボリックシンドロームを診断する上で必須項目としたのに対し、AHA/NHLBIは1構成要素として、血糖異常、脂質異常、血圧異常と同列の位置付けとしていた。 その状況が変わったのが2009年であり、IDFもウエスト周囲長を診断の必須項目から1構成要素に落としたのである(Circulation 2009; 120: 1640-1645)。 今回、メタボリックシンドロームの診断基準に注目したわけではないが、フランス全土でのデータベースを用いた観察研究において、肥満の有無と血糖・脂質・血圧異常の有無、さらに心血管イベント発症の有無との関係性を検討したデータが報告された(Diabetes Obes Metab 2021; 23: 2492-2501)。本研究が注目したのは「代謝学的に健康な肥満(metabolically healthy obesity)」である。(内臓脂肪蓄積ではないが)肥満の病的意義を考える意味で重要と考え、ご紹介したい。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×