総説・毒ヘビ咬傷 付:平家物語足摺 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする N Engl J Med(2022 Jan 6; 386: 68-78)の総説(Review Article)が毒ヘビ咬傷でした。当院でもマムシ咬傷は夏に数件はあります。この総説の著者のいる New Mexico Poison and Drug Information Centerを調べたところ、あらゆる中毒の相談に24時間365日無料で対応するセンターでした。 N Engl J Med総説で以前、最後に毒ヘビ咬傷が扱われたのは20年前の2002年8月1日号です。毒ヘビ咬傷の治療はRCT(randomized control trial)を組みにくく、一般に科学的根拠を欠きエビデンスが低いのです。そのため、各種ガイドラインも異なり、専門家の意見もさまざまです。それでも最近、特にその治療には大きな進歩がありました。特にペプシン処理抗毒素の有用性(国内の乾燥はぶウマ抗毒素も、まむしウマ抗毒素もブタペプシン処理です)とエピネフリン併用の安全性(アナフィラキシー68%減!)です。世界の毒蛇は地方によって異なり抗毒素も違いますから、この総説で全てが理解できるわけではありません。海外でのヘビ咬傷ではその国の中毒センターに連絡してください。 N Engl J Med総説「蛇咬傷」最重要点は下記14点です。 毒蛇のペット飼育はまれでなく医師が突然、外来性毒蛇に遭遇することも 蛇を同定、咬傷部緩く固定、心臓と同じ高さ、指輪外す。駆血・切開・吸引不可! 咬傷近位に弾力包帯(指1本入るくらい)の可否不明。緊縛は四肢壊死助長し不可 マムシは血液毒、コブラは神経毒だがオーバーラップありマムシでも複視あり。Dry biteは2~50% マムシ:疼痛腫脹↑、血小板↓、出血、DIC。ヤマカガシ:疼痛腫脹なし、フィブリノーゲン↓、出血、DIC マムシ咬傷のGrade分類。GradeⅢ(前腕、下腿以上の腫脹)以上ではマムシ抗毒素有用 ヤマカガシは初期腫脹疼痛なし、線溶亢進、DIC。フィブリノーゲン<100で抗毒素。その入手先 ホスホリパーゼなどで細胞毒性(疼痛浮腫水疱)、筋融解、MMPで凝固障害・血栓 コブラ毒はヘビのみの神経毒3-finger toxin(3FTx)familyでありAchに結合 バイタル、ライン、破傷風トキソイド、洗浄、異物探し、血算、CK、BUN、Cr、myoglb、BT、Fibg、fibrin、FDP、APTT、尿 根治治療は抗毒素。ペプシン処理のF(ab')2がFabより半減期長く有効。罹患↓、死亡率↓ 抗毒素アナフィラキシー:マムシ2.4~9.0%、ハブ11%、ヤマカガシ0%。エピネフリン前投与で68%減! 血清病(1~3週後発熱・発疹・関節痛・リンパ腫脹)はPSL 60mgで開始 蛇咬傷鑑別:ジャパン・スネークセンター(https://www.snake-center.com/、TEL 0277-78-5193)外来性蛇鑑別:WHO(https://www.who.int/health-topics/snakebite#tab=tab_1) 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×