重症コロナと血液培養 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ※画像はイメージです 研究の背景:血液培養がルーティンになった?時代のコンタミ問題 昔話になるが、米国での研修医生活を終えてからどうしようか、と悩んで、日本の大学病院を幾つか訪問したことがある。いずれも有名な病院だったが、診療の質がとても低くていたく失望した。何より驚きだったのは、血液培養が全く取られていなかったことだ。巨大な大学病院全体で取られている血液培養が、ホテルのミニバーのような小さな場所で培養されていて絶句した。日本の病院は、感染症の診断に全く興味がないのだと思った。血液検査で炎症マーカーが高ければ、何か適当に抗菌薬を出して、治った、治らないと一喜一憂する、まるで博打のような診療をしていた。「これじゃ、とても日本には帰れない。感染症のプロが帰国しても意味はないだろう」と思い、結局、北京の診療所の医者になった。亀田総合病院(千葉県)に呼ばれなければ、そのまま中国で今も診療所の医者をやっていたかもしれない。 現在も日本は感染症先進国とは到底いえないし、専門家の数も質も十分とはいえない。日本の多くの病院がコロナ診療を拒んだが、その理由の1つに「専門家の不在」がある。業界の人間としては反省するしかない。それでも、感染症のプロなどほとんど存在していなかった2004年(僕が帰国した年)に比べれば、現在は優秀な若手感染症医が相当数いて各地で活躍している。血液培養をちゃんと取る病院もそう珍しくはなくなった(取らない病院との格差が開いてはいる、が)。 そこで、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下の血液培養である。今回紹介する論文は、新型コロナ時代の血液培養のコンタミネーション問題を論じたものだ。20年前のように「血液培養なんて取らないのが当たり前」の時代には、存在しえなかった研究といえるだろう。 Ohki R, Fukui Y, Morishita N, Iwata K. Increase of blood culture contamination during COVID-19 pandemic. A retrospective descriptive study. Am J Infect Control. 2021 Nov;49(11):1359-1361. 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×