1989年:改元の暗雲吹き払う国際脳卒中会議

平成元年11月23日号

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新聞キャプチャ

 1989(平成元)年11月23日発行のMedical Tribune紙は、10月15~19日に京都市で開催された第1回国際脳卒中会議の模様を報じています。会長は慶應義塾大学名誉教授の故相澤豊三氏。20を超える国から約1,000人の参加者があり、記事は「この分野でトップレベルに立つわが国の研究陣が世界に呼びかけて開いたもの」と伝えています。

 脳卒中(脳血管疾患)は1951年から1980年まで日本人の死因1位に"君臨"しましたが、1981年に2位に転落、85年には3位へと退いています。それは日本の脳卒中研究の成果であり、研究者たちの自負が実現した第1回国際会議といえるでしょう。この国際会議に際して設立されたのが国際脳卒中学会(ISS)です。ISSはその後設立された別の国際組織と2006年に合併して、世界脳卒中学会(WSO)に発展。WSOは脳卒中との闘いを世界的に先導しています。

 時あたかも改元の年。消費税導入、美空ひばり逝去、リクルート事件、中国では天安門事件...。昭和は懐古するには大き過ぎ、近過ぎる存在、始まったばかりの平成は不安要素だらけでした。そんな中で実現した国際会議は、改元の暗雲を吹き払う快挙だったに違いありません。紙面では、脳卒中の危険因子の国際比較に関する討論、福生吉裕氏(日本医科大学第二内科)が考案した脳梗塞再発予防のための新しい経管栄養法などを紹介しています。

「Medical Tribuneが報じた昭和・平成」企画班

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