肺非結核性抗酸菌症、11年ぶり改訂の治療指針

主要3菌種のポイントを解説

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

背景:国際ガイドラインは2020年に改訂

 肺非結核性抗酸菌(NTM)症については、2020年に国際ガイドラインが13年ぶりに改訂された(Clin Infect Dis 2020; 71: 905-913)。国内外を問わず、指針として重要であるのがMycobacterium avium complex(MAC)、M. kansasii(MK)、M. abscessus species(MABS)の3菌種とされた。

 さて、日本では2012年に日本結核病学会(現:日本結核・非結核性抗酸菌症学会)から指針が出ており、これを参考に診療されていたわけだが、国際ガイドラインと国内の指針にはいささかの齟齬もあり、また、MK、MABSについてはどのような治療法が行われているのか、あまり知られていないという現状もあった。

 今年(2023年)6月に「成人肺非結核性抗酸菌症化学療法に関する見解―2023年改訂―」が日本結核・非結核性抗酸菌症学会から発表された(結核 2023; 98: 1-11)。実に11年ぶりの改訂となる。会員でなくても閲覧可能である。

 主要3菌種について概要をまとめる。

倉原 優 (くらはら ゆう)

国立病院機構近畿中央呼吸器センター内科医師。2006年、滋賀医科大学卒業。洛和会音羽病院での初期研修を修了後、2008年から現職。日本呼吸器学会呼吸器専門医、日本感染症学会感染症専門医、インフェクションコントロールドクター、音楽療法士。自身のブログで論文の和訳やエッセイを執筆(ブログ「呼吸器内科医」)。著書に『呼吸器の薬の考え方、使い方』、『COPDの教科書』、『気管支喘息バイブル』、『ねころんで読める呼吸』シリーズ、『本当にあった医学論文』シリーズ、『ポケット呼吸器診療』(毎年改訂)など。

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする