「精神科にもオンライン診療を!」支持する研究

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研究の背景:精神科の通院精神療法は算定外

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行は社会の急激な変化を促した。医療分野でもデジタル化が進み、オンライン診療の普及など技術革新をもたらしている。筆者の周辺でも、多くの会議がオンラインで行われるようになり、コロナ収束後もデジタル技術の活用は加速していくことが予想される。

 米国では、COVID-19流行初期からオンライン診療が行われていたが、診療科別で最もオンライン診療が取り入れられているのが精神科である(McKinsey & Company『Telehealth: A quarter-trillion-dollar post-COVID-19 reality?』)。精神疾患患者では病気を理由に外出することに困難を感じる例は少なくなく、また精神科は医師と患者の対話により診療が成り立つという特性を考えれば、当然のことであろう。

 ところが日本では、オンライン診療における通院精神療法は算定が認められていない。なぜ、精神科医療をオンラインで行うことが認められないのか。オンラインでの精神科医療は対面での精神科医療に劣るというエビデンスが存在するのであろうか。

加藤 忠史(かとう ただふみ) 

 順天堂大学精神医学講座主任教授。1988年東京大学医学部卒業、同病院で臨床研修、1989年滋賀医大精神医科大学講座助手、1994年同大学で医学博士取得、1995年米・アイオワ大学精神科に留学(10カ月間)。帰国後、1997年東京大学精神神経科助手、1999年同講師、2001年理化学研究所脳科学総合研究センター精神疾患動態研究チームリーダー、2019年理化学研究所脳神経科学研究センター副センター長を経て、2020年4月から現職。

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