バロキサビル、抗インフル治療での推奨度が前進

2023/24シーズンに向けた抗インフルエンザ薬の最新知見

東北文化学園大学医療福祉学部抗感染症薬開発研究部門 特任教授/
公益財団法人宮城県結核予防会 理事長 渡辺 彰

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 新型コロナウイルス感染症の出現以降、約2年間ほぼ姿を消していたインフルエンザであったが、2022/23シーズンに小規模な流行が見られ始めると、それが完全に収束することのないまま、2023/24シーズンは秋口から大きな流行となっている。以前にも増して早期診断と迅速治療は重要になっているが、流行が2シーズンなかったこともあって、抗インフルエンザ薬に関しては2018年に承認されたバロキサビル(商品名ゾフルーザ)の臨床的な位置付けがまだ定まっていない。本稿では、オセルタミビルなどのノイラミニダーゼ阻害薬(NAI)とは異なる作用機序(キャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害)を持つバロキサビルについて、最新の知見や各学会の提言・指針での位置付けを踏まえ、インフルエンザ治療における有用性を論じたい。

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