明暗くっきり、二大骨形成促進薬の現在地

独断と偏見のASBMR 2023印象記

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 米国骨代謝学会(ASBMR)は骨領域における世界最大の医学会である。私は、10年以上前から同学会の日本代表(Ambassador)を拝命しており、ウェブ会議のたびに「日本の会員を増やせ」とか、「日本からの演題を増やせ」とか、うるさく言われてきた。だいたい、国内でハブられて影響力ゼロの私にそんなことできるわけがない。ウザいので会議を欠席すると、「日本時間を考慮してやっているのにどうして出ないんだ」というメールが届く。夜11時とかは、私のような年寄りはもう寝ている。考慮するなら年齢も考慮してくれ。

 仕方がないので(?)、本稿では昨年(2023年)10月13~16日にカナダのバンクーバーで開催されたASBMR2023のトピックスを中心に、世界の骨領域研究の最新情報を、例によって独断と偏見で概説する。

川口 浩(かわぐち ひろし)

1985年、東京大学医学部医学科卒業。同大学整形外科助手、講師を経て2004年に助教授(2007年から准教授)。2013年、JCHO東京新宿メディカルセンター脊椎脊髄センター・センター長。2019年、東京脳神経センター・整形外科脊椎外科部長。2023年、社会医療法人社団蛍水会 名戸ヶ谷病院・整形外科顧問。臨床の専門は脊椎外科、基礎研究の専門は骨・軟骨の分子生物学で、臨床応用を目指した先端研究に従事している。Peer-reviewed英文原著論文は340編以上(総計impact factor=2,032:2023年7月現在)。2009年、米国整形外科学会(AAOS)の最高賞Kappa Delta Awardをアジアで初めて受賞。2011年、米国骨代謝学会(ASBMR)のトランスレーショナルリサーチ最高賞Lawrence G. Raisz Award受賞。座右の銘は「寄らば大樹の陰」「長いものには巻かれろ」。したがって、日本の整形外科の「大樹」も「長いもの」も、公正で厳然としたものであることを願っている。

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