米国臨床腫瘍学会(ASCO 2024)消化器注目3演題

国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科/消化管内科 山本 駿

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 学会印象記を担当する機会をいただいてから約2年が経過しましたが、その間にも多くの消化器がんに対する新規薬物療法の開発が進められ、実臨床に恩恵がもたらされています。特に近年の傾向として、がん免疫サイクルや腫瘍免疫学に基づく、免疫チェックポイント阻害薬同士または分子標的薬との併用療法の開発、特定の分子的特徴を有する集団における抗体薬物複合体(ADC)の開発が多くのがん種で見られます。他方、米国臨床腫瘍学会(ASCO)などの大規模な学会では、長年の臨床上の疑問を解決する意義深い医師主導試験の結果も報告されています。今回はASCO 2024で報告された演題の中から、長年疑問であった食道腺がんに対する最適な周術期治療戦略を明らかにしたESOPEC試験、高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-high)進行大腸がんに対するニボルマブ+イピリムマブ併用療法の有効性を確立したCheckMate 8HW試験の追加データ、同じく進行肝細胞がんに対するニボルマブ+イピリムマブ併用療法の有効性を確立したCheckMate 9DW試験を取り上げます(関連記事:「ASCO-GI 2024 消化器注目3演題」)。

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