糖尿病医が考える歯周病治療の重要性

心房細動の再発予防に関する国内研究から

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研究の背景:糖尿病と歯周病、糖尿病と心房細動の関係はよく知られている

 糖尿病と歯周病との相互的な関係性(互いの存在が互いを悪化させること)はよく知られており、歯周病治療で血糖管理が改善することも報告されている(Diabetes Care 2010; 33: 421-427)。

 一方、糖尿病が(非発作性)心房細動と関連することがここ数年で報告されるようになり(Diabetes Obes Metab 2019; 21: 210-217)、既に両者の関係性(互いの存在が互いの有病率を上げるというよりは、今の時点では糖尿病の存在が心房細動の発症リスクを上げること)は認識されつつあるようである(World J Diabetes 2023; 14: 512-527)。

 さらには、糖尿病治療にSGLT2阻害薬を用いることで、心房細動の発症を予防しうるという仮説も提唱されているようである(Circulation 2020; 141: 1227-1234)。

 そんな中、歯周病治療が心房細動の再発予防に有効であるということを示唆するデータが広島大学のグループから報告された(J Am Heart Assoc 2024; 13: e033740)。糖尿病の人が15.3%しか含まれておらず、糖尿病の有無別のサブ解析もないデータではあるのだが、歯周病治療の重要性を示す論文として取り上げたい。

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