【私が選んだ医学2024年の3大ニュース】 1. 脳卒中:総合支援センターとSCPA-Japan 脳卒中領域では、「脳卒中と循環器病克服5ヵ年計画(第一次:2016年、第二次:2021年)」および「脳卒中・循環器病対策基本法」〔2018年、循環器病対策推進基本計画(第1期):2020年、同(第2期):2023年〕に沿って着々と体制構築が進んでいる。 脳卒中・心臓病等総合支援センターのモデル事業が2022年に10府県で開始(翌年から都道府県の補助金事業化)され、現在、33都道府県で活発な活動が行われている(図1-左)。 図1.脳卒中・心臓病等総合支援センターとSCPA-Japan支部の設置の都道府県 2021年12月21日に設立された一般社団法人日本脳卒中医療ケア従事者連合(Stroke Care Professionals Association Japan:SCPA-Japan)に、2024年には公益社団法人日本精神保健福祉士協会が加わっていただき、14団体の連合体となった。支部の設立も行われ、2024年12月1日現在、37の都道府県支部が活動を行っている(図1-右)。 2024年4月から開始の医療従事者の働き方改革の中で、脳卒中急性期医療は①rt-PA治療の均霑化、②機械的血栓回収療法の集約化―という2つの体制構築に関しては、2019年から開始された日本脳卒中学会の一次脳卒中センターと一次脳卒中センターコア施設(米国の血栓回収脳卒中センターに相当)の認定でスムーズにいっているようである。血管内治療が進化をし続けており、以前は諦めざるをえなかった患者でも、急性期施設間連携で適応がありそうなら治療の土俵に乗せる努力をする時代になっている。 当直医確保のため宿日直許可を得て寝当直となるため、多くの施設では夜間休日の救急車受け入れをしなくなり、特定の救急病院、特に三次救急施設の負担が増えている。血管内治療を行っている若手医師は、平日日勤に代休を取ることとなった。また、今までは自己研鑽だった8時~8時30分のカンファレンスは勤務時間となり、16時30分になれば帰宅可能になった。時代が大きく変わっていることを実感する年になった気がする。