金曜日の手術で増える「200人に1人」相当のリスク

Weekend effect/Friday effectは回避可能

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

研究の背景:週末に上昇する手術リスク、週末直前は?

 手術の質に影響を及ぼす要因として、術者の技術、医療機器の性能、患者自身の体力や併存疾患などが思い浮かぶだろう。しかし、これらに加えて、「手術を行う曜日」という一見単純な要素が患者の予後に重大な影響を及ぼす可能性が指摘されてきた。特に、週末の医療資源や人員の低下が原因となり、術後合併症や死亡率を高めることが報告されており、「週末効果(Weekend effect)」と呼ばれている。

 しかし、2025年3月にJAMA Netw Open2025; 8: e2458794)に掲載された研究は、従来の「Weekend effect」ではなく、週末直前の金曜日に行われる予定手術(Pre-weekend Surgery)に焦点を当て、その術後の有害転帰リスクを明らかにしたものである。

 外科にとって、自施設の手術スケジュールや術後管理体制をあらためて見直すきっかけとなる重要な示唆を提供するものである。

須田 竜一郎(すだ りゅういちろう)

君津中央病院消化器外科部長。千葉大学大学院医学研究院臓器制御外科学。2001年藤田保健衛生大学卒。2001年より国立国際医療研究センターレジデント。2007年より同センター下部消化管外科技官。2018年より千葉大学病院第一外科を経て、2020年より現職。専門は下部消化管。日本外科学会指導医、日本大腸肛門病学会指導医、日本消化器内視鏡学会指導医、日本消化器外科学会専門医、日本消化器病学会専門医、日本臨床肛門病学会技能指導医、日本腹部救急医学会評議員。

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