指南⑳戦略は計画的かつ段階的に展開すべし

基礎から始める組織マネジメント#03 経営戦略

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

 診療所でも病院でも、日々の現場では多くの「判断」が求められます。

・診療科を広げるべきか?
・分院を出すべきか?
・スタッフの配置を変えるべきか?

 こうした問いに対し、「今できること」や「目の前の課題」だけを基準に考えてしまう先生方が多いのではないでしょうか。しかし、経営においては「目先の対応」だけでなく、長期的な方向性、すなわち「戦略」が不可欠です。

 そこで、今回は組織マネジメントの上位概念となる「経営戦略」について、医療機関に特化した視点から解説します。経営戦略は組織全体の方向性を決める羅針盤であり、どれほど丁寧な組織マネジメントを行っていても、上位の戦略が不在だと個別対応の集合体で終わってしまいます。

 特に、医療界は制度と診療報酬に縛られた「統制経済」でありながら、地域や患者の特性に応じて柔軟な判断が求められる分野です。外部環境の変化が激しい今こそ、戦略の視点が求められています(図1)。

図1. 外部環境と経営戦略の関係

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 しかし、経営戦略を明確に持っている医療機関は決して多くありません。戦略の立案にはMBAも経営学も不要です。むしろ、戦略とは「やるべきことの選択と集中」にすぎません。今回は、現場で実際に活用できる戦略論を分かりやすく解説していきます。

溝口 博重(みぞぐち ひろしげ)

株式会社AMI&I代表取締役、NPO法人医桜代表理事

「日本の10年後の医療・ヘルスケアを変革する」をミッションに、全国の医療機関の人材採用・組織マネジメントを中心とした経営支援を実施。またNPO法人の代表理事として「日本の医療の質の向上」に取り組む。

溝口 博重
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