肥満症を持つ人は長らく、患者自身の自己責任といった誤解やスティグマにさらされ、治療対象としての認知が十分に進んでこなかった。しかし近年、外科的治療の発展や新規薬物療法の登場により、肥満症を取り巻く状況は大きく変化している。一方で、新規治療薬の不適切使用がもたらす害が課題となっている。名古屋市立大学消化器・代謝内科学分野准教授/同大学病院肥満症治療センター副センター長の田中智洋氏に、自施設における取り組みと、肥満症治療の現在地について聞いた。