武田薬品工業は昨日(11月4日)、同社の4価弱毒生デング熱ワクチン(商品名QDENGA、開発コードTAK-003)に関する新たなエビデンスを公開。全4種のデングウイルス血清型によって引き起こされる、ウイルス検査レベルで感染が確認されたあらゆる重症度の症候性デング熱の予防におけるTAK-003のワクチン有効性(VE)および安全性を評価する国際第Ⅲ相二重盲検プラセボ対照ランダム化比較試験TIDESの結果、「全血清型において7年間にわたるVEが認められた」と発表した。(関連記事:「米・デング熱ワクチンTAK-003が優先審査指定に」) 同試験の対象は、4~16歳の健常な小児/若年者。対象を2:1でランダムに割り付け、TAK-003 0.5mLまたはプラセボを0カ月時および3カ月時に2回皮下投与した。 解析の結果、2回接種(初回接種)後4.5年時におけるウイルス学的に確認されたデング熱(VCD)に対するVEは61.2%(95%CI 56.0~65.8%)で、4.5年時における追加接種後2年時には同74.3%(66.7~80.1%)と上昇が見られた。入院予防効果は4.5年経過時で同84.1%(77.8~88.6%)、追加接種後2年経過時で同90.6%(78.9~95.8%)と一貫した有効性を示し、全てのデングウイルス血清型において7年間にわたるVEが認められた。追加接種後、新たな安全性上の懸念は認められなかった。 詳細は先月(2025年10月)29日に第14回世界小児感染症学会(WSPID)で発表された。同社は「非流行国における追加接種試験の結果については、今月11日の米国熱帯医学衛生学会(ASTMH)で発表予定だ」としている。