NOACは消化管出血を増やすのか―その対策は?

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする
感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

研究の背景:NOACにも付きまとう消化管出血リスクの懸念

 心房細動(AF)に伴う心原性脳塞栓症や下肢静脈血栓症に対する抗凝固療法としてワルファリン(ビタミンK阻害型薬;VKA)が長らく使われてきたが,近年は新たに登場した非ビタミンK阻害経口抗凝固薬(NOAC)に主流が移りつつある。しかしNOACであっても出血リスクの懸念はある。大出血リスクの1つが消化管出血であり,抗凝固療法を受けている患者に共通する合併症である。NOACも,臨床的に問題となる消化管出血のリスクに関与していると考えられるが,重篤な事象に関しての知見の詳細については現時点では明確でない。そこで,Caldeiraらが行ったメタ解析を基にしたシステマチックレビューを紹介する(Aliment Pharmacol Ther 2015; 42: 1239-1249)。

鈴木 秀和(すずき ひでかず)

慶應義塾大学 医学教育統轄センター教授。

1989年に慶應義塾大学医学部を卒業し,1993年に同大学大学院医学研究科博士課程修了 。同年に米国カリフォルニア大学サンディエゴ校研究員,2005年に北里研究所病院消化器科医長を経て,2006年に慶應義塾大学専任講師 ,2011年に同大学内科学(消化器)准教授。2015年11月より現職。
日本消化器病学会財団評議員,Rome委員会委員,日本ヘリコバクター学会理事,日本潰瘍学会理事,日本神経消化器病学会理事,日本臨床中医薬学会理事,AGAフェロー,ACGフェロー。

  • Facebookでシェアする
  • Medical Tribune公式X Xでシェアする
  • Lineでシェアする