インスリン抵抗性がDES留置後のlate catch-up現象の予測因子に

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 経皮的冠動脈インターベンション(PCI)は虚血性心疾患患者に対する効果的治療法であることが確認されている。しかし,薬剤溶出ステント(DES)の導入により再狭窄率が低下したにもかかわらず,慢性期にはステント血栓症や遅発性にステント内に狭窄が認められるlate catch-up現象などの問題が存在する。獨協医科大学越谷病院循環器内科講師の小松孝昭氏らは今回,インスリン抵抗性(IR)が第一世代DES留置後の慢性期の死亡および主要心脳血管有害事象(MACCE)に関連しているかどうかを明らかにし,慢性期の再発,合併症の予防法を探ることを目的に研究を行った。その結果,IRがDES留置後のlate catch-up現象の予測因子になることをCirc J(2016; 80: 657-662)で報告した。

研究者の横顔
小松氏

獨協医科大学越谷病院循環器内科 講師 小松 孝昭

 小松氏は2001年に獨協医科大学を卒業し,同大学越谷病院循環器内科に入局した。その後,同院の救命救急センターに所属した時期もあるが,2005〜06年に石心会狭山病院(現:埼玉石心会病院)に所属した以外は越谷病院循環器内科に所属し,2014年から同科教授となった田口功氏とともに同科心臓カテーテル部門を支えている。

 循環器内科,心臓カテーテルを専門に選んだ理由について小松氏は「学生時代に病院を回っていたころ,患者が元気になり笑顔で帰っていく姿を見て,その手助けができればと考え,循環器内科を選んだ。また,研修医時代から夜間に救急で受診する患者に緊急カテーテル治療を行うことに達成感を感じ,以後ずっとカテーテル治療を中心に行っている。石心会狭山病院では,カテーテル治療を埼玉県で最も多く,年間1,000件以上施行している。同院での経験は大変貴重なものとなった」と話す。

 経カテーテル大動脈弁留置術(TAVI)と僧帽弁閉鎖不全症に対する僧帽弁クリップ術に関しては,カテーテルに慣れている循環器内科医の方が外科医より適していると考えており,同科でもなるべく早い時期に開始したいというのが,同氏の当面の目標だという。

 プライベートでは4歳と1歳の男の子の父親である同氏は「妻も同科の医師でカテーテル治療に興味を持ち研究を行っている。子供が生まれてから特に趣味はなく,妻が勤務中の休みの日に子供たちと一緒に遊ぶこと,公園で子供たちと疲れるまで走り回ることが唯一の楽しみ」と話している。家庭と仕事の双方で充実した日々を過ごしている同氏の,同領域におけるさらなる活躍が期待される。

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