【未解決の背景】疾病リスクだけでなく経済的損失も甚大 24時間、生産・消費・交通システムが動いている現代社会では、人々の生活スタイルは夜型化し睡眠時間は確実に減少している。2015年の国民生活時間調査では日本人の平均睡眠時間は7時間15分(平日)であり、健康を維持できるぎりぎりのところに来ている。高度経済成長期には、生産性がないと思われている睡眠時間をできるだけ切り詰めて働けば、生産性が上がり、経済的に裕福になるとの考えから、昼も夜も24時間にわたって睡眠を削って活動してきた。その結果として健康を害し、心のゆがみやうつ病を生じることになった。交代勤務の経験年数と病気との関係を調べた研究では、交代勤務を長く続けていると、その年数に比例して、うつ病や心臓病のリスクがどんどん増えることが分かっている。