トップジャーナルで学ぶ熱中症マニュアル 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする うだるような暑い日々が続きます。 今までトップジャーナルで熱中症の総説って見たことなかったよなあと思いながら、N Engl J Medを検索したところ、2002年に掲載された熱射病(heat stroke)の総説(Medical Progress)を見つけました(N Engl J Med 2002; 346: 1978-1988)。 熱射病は、熱中症の4つの病態(熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病)のうち最重症の病態です。 「なんだ、あるだじゃあ!」と拍子抜けでした。当時は気が付きませんでした。 古い総説なので2018 Up to Dateも読んで比べてみましたが内容はほとんど変わりませんでした。過去16年、熱中症にあまり大きな進歩はなかったようです。N Engl J Med総説と2018 Up to Dateを併せてまとめてみました。 N Engl J Med総説、2018Up to Date「熱射病heat stroke」要点は下記18です。 熱失神は皮膚血管拡張による失神、熱痙攣は塩分なしの水分補給による筋痙攣 ヒトが耐えうる最高体温は41.6~42℃で45分~8時間。49~50℃5分で死亡 湿度75%以上で発汗蒸発不能。発汗で最大600Kcal/時放熱。抗コリン薬注意 心拍出量が増えないと熱射病起こす。β遮断薬、利尿薬など内服薬に注意 血流の皮膚・筋へのシフトで腸管虚血→腸管透過性が亢進→エンドトキシンが中へ入る 最大酸素摂取量の80%を超えると腸管透過性が亢進する 熱ショック蛋白はシャペロン機能(蛋白折り畳み)で細胞を防御する 熱射病のDICは敗血症と同じ線溶抑制型DIC。CBC、PT、APTTチェック 熱射病診断は深部体温>40℃、中枢神経障害の2つ。無尿の死亡リスクHR 5.24 古典的熱射病は呼吸性アルカローシス、運動性熱射病は呼吸性アルカローシス+乳酸アシドーシス 検査:胸Xp、ECG、CBC、電解質、BUN、Cr、CK、GOT、GPT、 PT、PTT、尿中ミオグロビン、検尿、頭CT DICでは血小板、Plt、フィブリノゲン、PT、APTT、SF、TAT、PIC、AT、TMなど検査 冷却しても意識悪ければ髄膜炎、脳出血、視床下部卒中考えCT、髄液検査 40℃以上の発熱は熱射病、悪性症候群、悪性過高熱考えよ 冷却は40℃の湯を体表にスプレーし扇風機、首・脇・鼠径にシャーベット状氷を 冷却は38~39℃で中止!ノルアド・NSAID使用不可!低血圧には生食を! 震えにはベンゾジアゼピン、悪性症候群でなければクロルプロマジン 横紋筋融解:CK>5,000は生食1~2L/時間、尿200~300mL/時間に。メイロン使用、尿Ph>6.5に 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×