胸痛を4象限に分けて真ん中にくる疾患は?

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胸痛の鑑別、まずは重篤な6疾患

 今回は胸痛のエコー診療について考えてみましょう。 胸痛の原因には命に関わる疾患が幾つも含まれているため慎重に鑑別診断を考える必要がありますね。たとえ頻度が低くても、まずは一番に重篤な疾患をルールアウトする必要があります。

  頻度的にも、重篤度的にも、治療可能という意味でも、まずは虚血性心疾患。特に急性冠症候群。これは必ずチェックする必要があります。多くは心電図検査で引っかかってきますが、必ずしも典型的な胸痛を訴えないことがあることはよく知られたことです。

 あとは胸部大動脈解離、肺塞栓症、心タンポナーデ、緊張性気胸、特発性食道破裂(Boerhaave症候群)です。この6つのCriticalなものをルールアウトした上で、他の疾患を想起、鑑別していくことが重要です。

  1. 虚血性心疾患(特に急性冠症候群)
  2. 胸部大動脈解離
  3. 肺塞栓症
  4. 心タンポナーデ
  5. 緊張性気胸
  6. 特発性食道破裂(Boerhaave症候群)

白石 吉彦(しらいし よしひこ)
 離島総合医。1992年に自治医科大学卒業後、徳島で研修、山間地のへき地医療を経験。1998年に島根県の隠岐諸島にある島前診療所(現・隠岐島前病院)に赴任。2001年に同院院長。周囲のサテライトの診療所を含めて総合医の複数制、本土の医療機関との連携を取りながら、人口6,000人の隠岐島前地区の医療を支えている。
 2014年に第2回日本医師会赤ひげ大賞受賞。著書に『離島発 いますぐ使える!外来診療小ワザ離れワザ』(中山書店、2014)、『THE整形内科』(南山堂、2016.5、編集幹事)、「離島発とって隠岐の外来超音波診療 動画でわかる運動器エコー入門」(中山書店、2017)。

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