2型糖尿病に潜む5%の1型糖尿病を探せ

新規マーカー抗亜鉛トランスポーター8抗体への期待

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

私の近況:新型コロナウイルスへの特別体制が新たな日常に

 今年(2020年)2月になってから、さまざまな研究会や学術集会が軒並み中止とされている。新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)禍のためである。正直、私は2009年の新型インフルエンザのときのように、数週間で収束にめどが立つだろうと勝手に思っていた。

 私が勤務する北里研究所病院でも2月下旬以降、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の特別体制を取って、ある種の緊張感を保ちつつ臨床を行ってきた。しかし、3月23日以降、東京都でも国内全体で見ても、新規感染者数が格段に増え、この戦いが短期には収束せず、短くても数カ月の臨戦態勢を継続しなくてはならないことが明らかとなった。北里研究所病院の体制も今後、さらなる特別体制(そして、それは新規の日常体制になると私は考えている)を固めていくことになっている。

 このDoctor's Eyeで、私は糖尿病・内分泌代謝領域の興味深い論文をご紹介することになっており、今回のCOVID-19において重症化リスクに糖尿病も入っていることから、COVID-19関連で新規知見をご紹介したいと思っていた。しかし、SARS-CoV-2との戦いは長い道のりとなる。COVID-19は常に身近にある危険な感染症として、日常の存在として考えていくことに決めた。

 そのため、今回はあえてCOVID-19を取り上げるのをやめた。一方、このようなある種の臨戦態勢の中(この原稿を執筆している3月29日は自粛要請が出ていて、私は一歩も自宅を出ていない)、糖尿病・内分泌代謝関連でどんな話題を取り上げても、多くの方にとってさほど重要なものには受け取られないであろうとも感じる。そこで、私自身の原点に立ち返り、日本人1型糖尿病についての論文を取り上げることとした(私の博士号申請論文は「1型糖尿病発症予知についての研究」である)。

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