第3回:死を間近にしても色あせないもの

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 本連載の第2回でも触れたが、病の体験は人を成長させる(『第2回:絶望の中から生きる意味を見いだす力』)。がんなどの大きな疾患によるさまざまな喪失を体験すると、誰もがその直後はつらい気持ちやネガティブな感情ばかりが巡り、精神的に危機的状況に陥りがちだ。しかし、時間の経過とともに少しずつ冷静さを取り戻すうちに、多くの人はがんになったことの意味を自分なりに考えるようになり、「今日一日を生きられることは当たり前のことではない」と思えるようになる。そして、その先の人生における「優先順位」が変わる。やがて迎える死と向き合う中で、決して色あせないものに気付くのである。

清水 研(しみず けん)

がん研究会有明病院 腫瘍精神科 部長

1971年生まれ。精神科医・医学博士。金沢大学卒業後、都立荏原病院(現・東京都保健医療公社荏原病院)での内科研修、国立精神・神経センター(現・国立精神・神経医療研究センター)、都立豊島病院(現・東京都保健医療公社豊島病院)での一般精神科研修を経て、2003年、国立がんセンター(現・国立がん研究センター)東病院精神腫瘍科レジデント。以降、一貫してがん患者および家族の診療・ケアを担当している。2006年、同センター中央病院精神腫瘍科勤務。同科科長を経て、2020年4月より現職。日本総合病院精神医学会専門医・指導医。日本精神神経学会専門医・指導医。日本サイコオンコロジー学会登録精神腫瘍医。近著に『がんで不安なあなたに読んでほしい。 自分らしく生きるためのQ&A』(ビジネス社)、『もしも一年後、この世にいないとしたら。』(文響社)。

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