食道がん術後ニボルマブによる補助療法の効果は?

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研究の背景:術後療法の標準治療は確立されていない

 食道がん(接合部がんを含む)は、根治手術が施行できた症例であっても術後に40%前後が再発することから、強力な術後補助療法が必要と考えられています。わが国におけるステージⅡ/Ⅲの食道がんに対する現在の標準治療は、術前に2コースのフルオロウラシル(5-FU)+シスプラチン(FP療法)を行ってから根治手術を施行することとなっています。しかし、術後の追加治療については標準治療が確立されていません。進行再発食道がんに対する抗PD-1抗体ニボルマブの有効性1)2)が明らかとなったことを背景として、根治手術後の追加治療としてのニボルマブの効果を検証したプラセボ対照試験CheckMate-577の結果がN Engl J Med(2021; 384: 1191-1203)に発表されました。

島田 英昭(しまだ ひであき)

東邦大学大学院消化器外科学・臨床腫瘍学教授、同大学医療センター大森病院がんセンター長。

1984年千葉大学医学部卒業、1991年同大学大学院医学研究科博士課程(外科系)修了。同年に渡米し、マサチューセッツ総合病院、ハーバード大学外科研究員として従事。帰国後、千葉大学病院助手、同大学講師大学院医学研究院講師(先端応用外科学)、千葉県がんセンター消化器外科主任医長を経て、2009年より現職。現在は、東邦大学大学院消化器外科学講座責任者・臨床腫瘍学講座責任者や同大学大森病院特定臨床研究審査委員会委員長を併任。

日本胃癌学会ガイドライン作成委員会委員、日本食道学会会誌編集委員会副委員長などを務める他、日本外科学会代議員、 日本消化器外科学会評議員、日本癌学会評議員、日本臨床外科学会評議員、 日本免疫治療学会理事、日本分子腫瘍マーカー研究会副代表幹事、外科分子細胞治療研究会世話人・代表幹事など多数の学会の活動にも携わる。Ann Gastroenterol Surg誌、Esophagus、Gastric Cancer誌、Ann Thorac Cardiovasc Surg誌、Digestive Surgery誌、Surgery Today誌、J Hepatobiliary Pancreat Sci誌、Cancer Science誌、Int J Clin Oncol誌、Jpn J Clin Oncol誌のEditor & Associate editor、Medical Tribuneのがん専門特設ページ「Oncology Tribune」の総監修も務める。

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