新型コロナで二大ステロイド対決

メチルプレドニゾロン vs. デキサメタゾン

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

研究の背景:世界の主流はデキサメタゾン

 今回は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療における全身性ステロイドについて取り上げたい。

 結論から書くと、個人的には中等症Ⅱ以上のCOVID-19に対する全身性ステロイドは、メチルプレドニゾロン1~2mg/kg/日辺りが妥当ではないかと考えている。デキサメタゾンのように6mg/body/日と一律に用量を規定するよりも、体重に応じて増減させる方が理にかなっている気がする。

 紹介するのは、メチルプレドニゾロンとデキサメタゾンを比較した研究である(BMC Infect Dis 2021; 21: 337)。

 コントロールアームにデキサメタゾン6mg/body/日が設定されている理由は、これがCOVID-19に対する全身性ステロイド治療として有効性を示したステロイド製剤であるためだ(N Engl J Med 2021; 384: 693-704)。このRECOVERY試験では、デキサメタゾンを用いることで、酸素療法や機械換気を受けているCOVID-19患者の死亡率が有意に低下した。

 一方、メチルプレドニゾロンのエビデンスは限られている。通常、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の領域ではデキサメタゾンよりもメチルプレドニゾロンの方がよく用いられているため(さまざまなエビデンスが否定されてきたが)、こちらの製剤におけるCOVID-19のエビデンスが求められていた。

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