もともと"胃弱"の患者に対して用いられてきた六君子湯(りっくんしとう)という処方が、"グレリン作動薬"として食欲増進および胃運動の促進作用が期待され、プロトンポンプ阻害薬(PPI)抵抗性胃食道逆流症(GERD)や機能性ディスペプシア(FD)などの治療に用いられるようになってきている。その作用を生み出すのは、多成分による複数の作用点であり、他の漢方薬にはないユニークな作用機序を有している。