薬剤師のための褥瘡薬物療法/褥瘡を見よう(はじめに) 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 褥瘡はつくらないことが一番。しかし、気をつけているつもりでも、できてしまいがちな褥瘡。褥瘡ケアは看護師の仕事だと思っている人もいるかもしれませんが、在宅で直面する褥瘡や入院患者の褥瘡において薬剤師が患者のQOL向上に資する役割は大きく、薬剤師の積極的に関わることができる疾患と言えます。このシリーズでは、褥瘡治療初心者向けに使用薬剤を厳選し、症例を提示しながら褥瘡治療のポイントを紹介します。 褥瘡って、見てすぐわかるもの? そもそも褥瘡とは、どのような状態を指すのでしょう?日本褥瘡学会の定義によれば、「身体に加わった外力は骨と皮膚表層の間の軟部組織の血流を低下、あるいは停止させる。この状況が一定時間持続されると組織は不可逆的な阻血性障害に陥り褥瘡となる」とされています。褥瘡は、寝たきりであれば仙骨部、大転子部、尾骨部、踵骨部などの骨突出部位に、また長時間座位が続けば坐骨部や仙骨部に生じやすくなります〈図1〉。 図 褥瘡の好発部位 Point 皮膚に紅斑がある場合、皮膚下床に骨があり、指で押して退色しなければ発赤として軽度の褥瘡になります。退色すれば反応性充血で、褥瘡になる前の段階であり、予防を徹底することが必要です。 褥瘡を見ることが褥瘡を知ることの近道。でもどうやって見ればいいの? まずは、医師、看護師に同行依頼するところから。在宅では病院以上に調整が難しいかもしれませんが、訪問医の訪問日かつ訪問看護師が洗浄・処置をする日を聞くところからです。 しかしせっかく同行しても、褥瘡初心者は遠巻きに見るだけになりがち・・・。そんなときは自ら進んで記録係になりましょう。創(そう)の状態は近くで見ないとわかりません。写真を撮る係になれば、自ずと他職種の間に自然に加わり、創を近くで観察することができます。 Point カメラを持ち、率先して記録係になろう。創の大きさや色などの状態を視覚的に捉えられ、他職種ともシェアできます 褥瘡の発生要因を考えよう このシリーズは褥瘡の薬物療法の解説が中心になりますが、薬剤を効果的に使うためには、治療開始前に以下の点を確認しておきましょう。 Point どうしてその場所に褥瘡ができたのか?身体の動きや得手体位(自分好みの姿勢)はどうか? ⇒家族・ケアマネに聞いてみる鎮痛薬により痛覚が鈍くなっていないか?睡眠薬、抗うつ薬、抗不安薬などにより活動性が低下していないか? ⇒処方内容を確認する [PharmaTribune 2015年1月掲載] 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×