薬剤師のための褥瘡薬物療法/黄色壊死とびらんが混在する褥瘡(皮膚にかかる力を理解する) 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする 褥瘡は、皮膚に対し垂直方向にかかる「圧迫」に加え、摩擦とそれに伴う「ずれ」が原因で生じます。「ずれ」のかかる方向は実にさまざまです。褥瘡を予防・悪化させないためには、皮膚にかかる力を理解し、それをかかりにくくする工夫が重要です。 黄色壊死とびらんが混在する褥瘡 発症当初は発赤が進行した創に見えましたが、しだいに軟らかい黄色壊死組織に変化し、創全体を覆ってしまいました。黄色壊死組織は基本的に黒色壊死組織を除去した下床に存在しますが、「ずれ」によって発症した場合は黒色壊死組織が形成されずに、黄色壊死組織が形成されることもあります※1。 ※1 詳細に検討された論文はないが、臨床的には、「黒色壊死は持続性の圧迫による血流障害により壊死化するために表面は乾いて黒化することが多いが、ずれによる褥瘡は絶えず摩擦が起こっているため壊死の表面がこすれ黒化しにくく、黄色壊死組織が形成される」と考えられている。 症例3 年齢、性別 : 84 歳、男性身長、体重 : 144cm、33kg褥瘡発症部位:腸骨部基礎疾患 : 肺カンジダ症、誤嚥性肺炎、廃用症候群※2使用薬剤 : なし要介護度 : 5麻痺の有無 : なし拘縮の有無 : あり(上下肢)体位変換間隔 : 約2 時間得手体位・姿勢 : 下肢拘縮のため仰臥位は困難、両側臥位をとる ※2 無動、不動、低活動、長期の臥床などにより経過とともに引き起こされる退行性の病態。萎縮、皮膚障害、関節拘縮、筋力低下、心血管・呼吸器機能の低下、泌尿器・消化器系の機能低下、代謝・内分泌系の低下、精神機能低下など。 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×