【在宅活動】訪問指示-1

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Q16.訪問指示で最も多い方法はなんですか?

新患の場合
1位 第一報は電話、そのあとに処方箋、診療情報提供書のFAX 7名
2位 処方箋、診療情報提供書のFAX 3名

FAXが多く、その次が電話です。

医師から 電話やFAXで照会があります。訪問先のだいたいの住所を教えていただき、行けるかどうかの確認をします(まず断りません)。その後、診療情報提供書やサマリーまたは処方箋がFAXされてきます。

ケアマネから 小規模多機能施設やケアホームなどの施設入所の方は、施設のスタッフ(主にケアマネ)から打診があって、OKすればケアマネから情報提供書またはサービス受入依頼表(ステップ2)が送られてきます(薬物療法に問題を抱える在宅患者さんも同様です)。病院から帰ってくるときは、ケアマネからの要請で退院カンファレンスに同行することもあります。その後、利用者を訪問した医師から処方箋がFAXされ、指示を受けて訪問が始まります。

※サービス受入依頼表(ステップ2)
ケアマネが介護サービスを依頼する際に用いる書類です。内容は、利用者のお名前などの個人情報、介護の状況や病状、本人・家族・ケアマネが希望する介護サービス(訪問頻度)などが書かれています。口頭で依頼されたら、"ステップ2を送ってください"と言うと話が通りやすいです。

新患の訪問開始の場合、多くは医師から電話などで事前に相談があります。患者の背景や薬の内容などの説明があって、必要な薬剤や医療材料の在庫確認をし、自宅にある残薬の状況や退院日などから初回訪問のだいたいの日程が決まって、診療情報提供書がFAXで送られてきます。処方箋発行とともに、備考欄に「訪問投薬」の指示があります。

電話、処方箋備考欄の記載が多いですが、医師が訪問帰りに薬局に寄って処方箋を置いていき、開始する場合もあります。ある患者さんの訪問診療に同行していたとき、可能ならば...と別のお家に連れて行かれ、お家につくまでに患者さん概要の説明をしてもらい、その後、訪問開始となった患者さんもいます。

当薬局で一番多いのは、医療機関で医師が患者(利用者)さんに訪問診療の説明をし、薬剤師の訪問の希望とかかりつけ薬局の有無を聞き、患者さんが薬剤師の訪問を希望していて、かつかかりつけ薬局が特にない場合に、説明後に当薬局に立ち寄ってくれるパターンです。並行して、診療情報提供書による訪問指示依頼あるいは電話による訪問の可能性に関する打診があります。薬局で詳細を説明し、患者さんが了承すれば処方箋がFAX送信されてきます。

現状では、最終的に医師の指示がなければ居宅療養管理指導の算定はできません。従って、指示の記載がない場合は電話等で確認し、その旨を備考欄に記入します。今は医師主導で訪問指示が来ているので、今後は、ケアマネや薬剤師、看護師等による提案で訪問指示を得る方法も行っていかねばならないと思っています。

処方箋の備考欄に記載された訪問指示の印

情報提供書。患者さんの状況や病名が記載されており、なにを見守っていかなければいけないかが把握できます。

こんな工夫をしています

訪問看護師が訪問を開始するために、「医師に指示書をもらいに行かなきゃ」という一言を聞いて、指示書は貰いに行くもので出るまで待つものじゃないんだと気が付き、薬局から発信する書類を作っています。医師から「薬剤師への指示書をどう書けばいいのかわからない」と言われたときや、窓口で薬の服薬に問題がありそうな方を見つけて、大きな病院の医師や在宅診療をしていない近隣の開業医に訪問指示をお願いするケースにも活用しています。当然ですが、患者さんから事前に内諾を得ています。

訪問指示依頼書
利用者のどこに問題があり居宅療養管理指導の必要性があるのかを記入します。

薬局への情報提供書
どういう基本情報があるとその人の状況を把握しやすいかを考え、丸をつける項目を増やした形式にしました。

[PharmaTribune 2014年8月号掲載]

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