【在宅活動】訪問指示-2

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感染症ビジョナリーズ 感染症ビジョナリーズ

Q17.訪問指示を得るためにしている工夫を教えてください

薬剤師の在宅活動を知ってもらう

訪問指示に繋がらなくても、医師からの相談の電話にはきちんと対応し、必要に応じて資料を送付したり、一歩踏み込んだ情報提供をしています。そうすることで信頼関係を築くことができます。訪問指示を出したことのない医療機関は、「訪問指示」というだけで何か特別なことをしないといけないと構えてしまうことがあります。そういった場合には、そんなに大変ではないということをわかっていただくための説明をしたりします。例えば、輸液処方箋の記載方法や輸液関連の器材の資料をまとめたもの、チェック式の患者情報提供書、対応エリアの地図などを要望に応じて提供しています。

基本を丁寧に

日々の業務を丁寧に行うことを心がけています。地域の医師会が開催している多職種連携の勉強会などに顔を出し、薬剤師のできることを伝え、他職種を巻き込んで訪問指示に繋げています。

情報を得る・アピールする

  • 日常の薬局の窓口で患者さんの状態を把握する( 薬だけではなく、家族構成とか日常の生活状況)
  • 他職種の方と連携をとり情報を得る努力をする
  • 利用できるツールを活用し、薬局をアピールする

地域の集まりで

まだまだ、地域包括支援センターが機能していないと感じます。自治会や地域の集まりに足しげく通い、薬のことなどを話しています。それがきっかけで医師と知り合いになり、訪問指示がくることがあります。まだまだ、在宅を始めていない医師もいるので、チャンスがあります。

患者の状況把握、多職種連携

患者の状況を把握していることが何よりも大切だと思います。薬剤師の訪問が必要な理由、患者宅のキーパーソンを把握していないと、訪問が始まってもうまくいきません。また現場での他職種との連携が、ほかの患者の訪問開始につながっていることも実感しています。

面会して情報共有

基本的に訪問診療の患者さんの処方箋には全て訪問指示が入っているので特に工夫はありません。

ただ報告書をクリニックにお持ちして、その時に処方箋をいただくのですが、なるべく、訪問医に直接お会いして気になる患者さんの情報をお伺いしたり、新規に処方になったお薬の処方意図がよくわからないときは直接聞くようにしています。1週間に1回程度です。

緊急性がある時の指示はLINEや処方医の携帯に電話するときもありますが、なるべく面会してお聞きするようにしています。患者さんの情報を共有することで次の訪問指示に繋がるので、患者さんの状態などをお話するようにしています。

客観的な指標を取り入れる

認知症の独居の方など、認知症を進行させないためにも、最低限の薬物治療は行ったほうがよいと考えています。しかし、誰も薬を管理する人がいないから、薬を処方できないという医師もいます。そのような場合、薬剤師が介入することで安心して服薬管理ができるようになることを伝え、治療を開始してもらうことがあります。

認知症の治療を開始してほしいと家族が希望する場合や、私が治療の必要性を感じたときには、訪問指示をもらう前に訪問して認知機能の評価をしています。評価には長谷川式簡易知能評価スケールを用い、その後、外来に受診同行して評価結果を医師に伝えます。これによって、認知症治療と薬剤師の訪問が開始となったケースがありました。同時進行できて、ご家族にもケアマネにも喜ばれました。

このやり方をしてから、認知症が疑われる方で服薬管理ができないケースでは、ケアマネから外来の受診同行と認知機能の評価を頼まれるようになりました。医師に認知症治療の開始を説得するには、何かしらの客観的な評価が必要です。ですので、長谷川式簡易知能評価スケールなどを用いて、点数で認知症治療の必要性を訴える方法を考えつきました。

[PharmaTribune 2014年8月号掲載]

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