【在宅活動】他職種との連携-3 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする Q34.他職種との連携で喜ばれた・信頼されていると感じたエピソードは? 保健所の保健師に大喜びされた 抗結核薬の直接服薬確認療法(directly observedtreatment, short-course; DOTS※)で、保健所保健師と情報共有を図ったときのことです。薬局が関わる、ということだけで保健師に大喜びしていただけました。ただ、他からは「喜ばれた」反応があまり返ってこないので、喜ばれているのかよくわかりません。 ※DOTS:患者が適切な容量の薬を服用するところを医療従事者が目の前で確認し、治癒するまでの経過を観察する治療方法。 看護師と薬剤師で 医師から、ある患者の褥瘡について、訪問看護師と私とで相談して方針を決めて欲しいと言われたことがありました。そのほかにも、訪問看護師との話の中で、医師によく提案することがあります。信頼関係が築けているのだと思っています。 褥瘡治療に同行して処方提案 褥瘡治療で適した軟膏が使用されていなかったときのことです。看護師と褥瘡治療に同行して状態を把握し、医師に軟膏剤の変更を打診、変更に至り、経過が良好になったときには、看護師、患者さんに喜ばれました。今では、他職種が褥瘡の写真を撮って送ってくれて、適切な治療薬がなにか相談してくれるようになりました。当薬局の患者さんではない方の相談もあり、薬剤師として嬉しく思っています。 ヘルパー向けの勉強会の開催 ヘルパーには薬の勉強会などを開催し、薬剤師とどのように連携を取れば良いのか、薬剤師に相談することで簡単に解決できること(薬の飲み忘れ対策、排便・疼痛コントロールなど)を知ってもらい、喜ばれました。 薬剤師になら言える 薬が多すぎて減らしてもらいたいけれど、医師には言いにくくて困っている、というような相談をヘルパーからよく受けます。このような場合、医師に処方変更を打診し、減らしてもらうことがあります。医師には直接言いにくいけれど薬剤師になら言える。薬剤師は医療と介護をつなぐ上で、大きな役割を担っていると感じました。 薬剤変更と注意するポイントを目立つように報告書に記載 薬剤の変更があった場合、報告書には薬剤変更があったこと、薬剤が変わったことで期待される効果、副作用に関連して気を付けることを具体的に書いています。報告書の情報から他職種が変化に気づき、情報共有して対応することがあります。 イクセロン®パッチが処方された患者さんの報告書に注意して欲しい副作用として吐き気や食欲不振を書いておいたところ、それを読んだ介護士から「最近デイサービスでの食事を残すことが多くなり元気がない」と知らせが入り、薬剤師から医師に報告して使用が中止になった 褥瘡治療では皮膚の状況によって、どの軟膏を使ったらいいのかわかりやすかった(介護士より) ふらつきの副作用がある薬が追加になったときに、デイサービスの送り迎えやケアで注意することができた(ヘルパーより) チームで謎解き 患者さんはチームスタッフに見せる顔が同じではないこともあり、お互い驚きがあったり、謎ができたり、新しい発見があったり、それが在宅業務に携わる喜びとなっていると思います。 認知機能が低下している高齢患者さん。旦那様の死後、ふさぎこんでおられましたが、訪問すると、いつも「まさえ」と私のことを呼んでいました。昔のことを話しているようで、「まさえはこうだった、ああだった、賢い子で、かわいくて...」と。ヘルパーさんに話をすると、私は●●です。ケアマネさんに聞くと、私は▲▲です。先生は?看護師さんは?と、それぞれ役があったようで、大家族で過ごされていた昔が懐かしいのだろうと、情報共有した際に話したことがありました。その後は、施設を移られ、私達チームも新たな訪問先に出向き、そこで最期を看取りました。皆で家族のようでした。 神経難病の30代男性。「寝たい」という要望で眠剤が出たのに、まったく服用されていませんでした。「勃起障害」の副作用を気にしていたと告げられ、チームで共有、彼の悩み、思い、性について考えることができました。 私の在宅活動記 内服拒否・食事拒否のワケ 施設に入所している認知症の患者さんの話です。 施設の担当者から「最近、薬の内服拒否や食事の拒否が増えてきた」と申し送りを受けた翌週、「入れ歯を洗浄した時に白い粉状ものがたくさん詰まっていた」と報告を受けました。訪問して見てみると、粉状の物質が固まって入れ歯に付着していました。日頃の食事からとは考えにくい。内服している薬が原因...?早速この患者さんの処方内容をチェックしたところ、固まる可能性があると考えられた薬剤は酸化マグネシウムでした。崩壊しやすい酸化マグネシウムに変更すれば解決できるかもしれないと、さっそく発売されている酸化マグネシウム細粒をすべて取り寄せ、水に入れて崩壊しやすさを試し、最も崩壊しやすい製品を採用しました。次の処方から新しく採用した酸化マグネシウムを出したところ、入れ歯に詰まることなく、服薬拒否や食事拒否がなくなったと報告を受けました。 認知症の方は、発語が少なく、違和感や痛みを訴えることができない人もいます。訴えられない患者さんに対して服用している医薬品で不都合が生じていないか、より注意深く観察しなければいけないと強く感じた経験でした。また、酸化マグネシウムの崩壊性を試したとき、想像以上に差があり驚きました。採用の際に考慮すべき点だと感じました。 [PharmaTribune 2015年7月号掲載] 参考になった 名の医師が参考になったと回答 記事をクリップ 記事をクリップして、あとでマイページから読むことができます Facebookでシェアする Xでシェアする Lineでシェアする ×