薬剤師の在宅活動に関する素朴な疑問を取り上げてきた本コーナー。なんとなく在宅活動が分かってきたけれど、いざ実践となると、「唐突なハプニングに対応できる自信がない」という初心者の方もいるのでは。実際の活動で起こりえる落とし穴(ピットフォール)を事例に挙げ、その対応方法、解決策を探っていきます。 サービス担当者会議に呼ばれません 「薬剤師の私も在宅訪問を始めました」と近隣の医療機関にお伝えはしましたが、サービス担当者会議に呼ばれません。顔見知りのケアマネジャーからは声をかけてもらえますが、これまでにつながりのない方だと当然呼んでいただけません。アドバイザーの皆さんはどのようにしていますか? タイミングを図り、しつこくお願いすることが大事 知っているケアマネにも忘れられることがあります。 サービス担当者会議(以下、担当者会議)の報告だけ送られてくると、「次は必ず呼んでください」と電話でお願いしますが、「どうせ呼んでも来ないでしょ!」と思っているケアマネも多いと感じます。それは、今まで薬剤師が呼ばれても応じてこなかったからではないでしょうか。 患者さんが介護保険の方を利用しているなら、更新時期が分かります。更新時期が近づいたら、「更新のときの担当者会議には必ず呼んでくださいね」と、一声かけておくのも方法の1つです。私はいつも、かなりしつこくお願いしています。 少しずつ信頼関係を築く たとえ今まで付き合いのなかったケアマネでも、担当者会議が開催されれば報告書を送ってくれるはずです。その報告書で疑問に思ったことを質問してもよいですし、自分の意見を伝えてもよいと思います。そして、「次回はぜひ参加したいのでお声がけください」と伝えておけば、拒否されることはまずありません。むしろ喜んでもらえると思います。 出会った瞬間に信頼関係を築くことは不可能なので、一歩一歩こちらから歩み寄るしか方法はないと思います。 声をかけられているのは素晴らしい! 顔見知りのケアマネからは声をかけていただいているのですから、素晴らしいと思います。他のケアマネとも初めは無理でも積極的に知り合いになり、「担当者会議があったら出席します」とアピールするのがよいでしょう。地域ケア会議など、多職種が集まる会合にも積極的に出席するとよいと思います。 "薬剤師ならでは"をアピール まず、自分の行動を振り返ってみましょう。在宅支援を行いたい気持ちを、他職種の方々にどのように伝えていますか? 私は薬剤師の仕事をアピールしています。日めくりカレンダー、服薬支援グッズ、簡易懸濁法など、薬剤師だからできることを宣伝しましょう。 現在ケアカフェなどと呼ばれる、多職種間の交流の場が増えています。そのような場への積極的な参加も必要だと思います。交流の場に慣れることも大切です。 〈関連記事〉サービス担当者会議で何をするの?