在宅活動を始めた、もしくは関心があるのだけれど、いざ実践となると、「唐突なハプニングに対応できる自信がない」という初心者の方もいるのでは。これから毎月、実際の活動で起こりえる落とし穴(ピットフォール)を事例に挙げ、その対応方法、解決策を探っていきます。 通院困難と思われる患者さん在宅を勧めたいけど、説明に不安が... いつも1人で薬局に来る高齢の患者さん。ふらふらとしているし、受け答えもおぼつかない様子。認知症が進行している印象ですが、在宅介護サービスは受けていないようです。薬の管理状況が気になりますし、外を1人で歩くことも危なそう。在宅訪問をお勧めしたいのですが、薬剤師から声をかけることにどう反応されるかと考えると、なかなか踏み出せません。 Q1. 通院困難と思われる患者さんに対して、医師やケアマネジャーから連絡が来る前に在宅業務のアプローチをした人数を教えてください(2016年の実績)。 <div style=" border: 1px dashed #ddd; padding: 5px; background: #d5e3ff; font-weight: bold; margin: 1.5rem auto;">在宅活動歴21年 <div style=" border: 1px dashed #4300ff; padding: 5px 20px; background: #e0d5ff; font-weight: bold; font-size: large; margin: 1rem auto; "> 2人 1人は外来受診の80歳で独居の男性です。通院困難というレベルまでには至っていませんが、認知症がかなり進行しています。お薬を日めくりカレンダーで管理していましたが、服用状況がよくなく、日中の生活状況にも不安を感じたため、地域包括支援センターに連絡しました。現在、警備会社の見守りサービスを利用しています。 もう1 人は80 歳代の女性です。もともとは在宅療養されているご主人を訪問していました。ご主人が亡くなり、精神的なショックも受けている様子の奥さん。以前から認知症が見受けられたので、地域包括支援センターに連絡し、介護認定調査を受けることになりました。 <div style=" border: 1px dashed #ddd; padding: 5px; background: #d5e3ff; font-weight: bold; margin: 1.5rem auto;">在宅活動歴5年 <div style=" border: 1px dashed #4300ff; padding: 5px 20px; background: #e0d5ff; font-weight: bold; font-size: large; margin: 1rem auto; "> 3人 薬剤師が訪問する意義が伝われば、理解してもらえると思います。3 人とも快諾してくれました。 かかりつけ薬剤師の制度と同様、ただ数を増やすだけでは意味がないと思います。本当に必要な人であれば、積極的に勧めています。 <div style=" border: 1px dashed #ddd; padding: 5px; background: #d5e3ff; font-weight: bold; margin: 1.5rem auto;">在宅活動歴13年 <div style=" border: 1px dashed #4300ff; padding: 5px 20px; background: #e0d5ff; font-weight: bold; font-size: large; margin: 1rem auto; "> 6人 手術後体力が戻らず順調な回復が見られない方、認知症が疑われる方、多科受診の方などにお声がけして開始しました。 <div style=" border: 1px dashed #ddd; padding: 5px; background: #d5e3ff; font-weight: bold; margin: 1.5rem auto;">在宅活動歴7年 <div style=" border: 1px dashed #4300ff; padding: 5px 20px; background: #e0d5ff; font-weight: bold; font-size: large; margin: 1rem auto; "> 2人 お声がけはしましたが、まだ在宅に移行していません。かかりつけ薬剤師として必要時にご自宅を訪問することにとどまっています。