薬剤師の在宅活動で起こりえる落とし穴(ピットフォール)に対する対応方法、解決法を探るコーナー「在宅活動のピットフォール」。アドバイザーの渡辺優美さんが、ご自身の患者さん対応の事例を紹介してくれました。 <div style=" border: 1px dashed #ddd; padding: 15px; background: #d5e3ff; font-weight: bold; margin: 20px 10px;"> 看護師訪問のタイミングに排便しやすくなるよう下剤の調整 完全寝たきりの患者さん。3年半訪問しています。週に2回は訪問看護師が浣腸と摘便を行い、便を排出しています。看護師が訪問している1時間ぐらいの間に、スムーズに出ることが理想です。看護師がケアをしているとき以外に排便すると、おむつを交換するために、ヘルパーにも予定外の訪問をしてもらわなければなりません。介護保険に請求できる点数を超えてしまうと、患者さんが自費で払わなければいけなくなります。そうならないために、介入しています。 以前は、パントシン・マグミットをベースに、看護師が入る前日にセンノシドで排出していました。数年経過するうちに、腸の動きが悪くなったため時間がかかるようになり、大黄甘草湯の錠剤(2錠/日)が追加になりました。今では、看護師から便質や排出時間、臨時でヘルパーが入ったか否かなどの情報を得ながら、大黄甘草湯を増減することで、ケアの時間に排出する調節を続けています。